2014 Fiscal Year Research-status Report
読解発問によるクリティカル・リーディング指導が英語学習者の説明文読解に及ぼす効果
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25370657
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
伊佐地 恒久 岐阜聖徳学園大学, 外国語学部, 教授 (20586482)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 読解発問 / 事実情報の理解度 / 英語リーディング指導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、3種類の読解発問(事実発問・推論発問・評価発問)が英語学習者の説明文の事実情報の理解度と読解ストラテジーの認識に与える効果を検証した。以下にわかったことをまとめる。説明文読解の際、事実発問に解答した参加者と推論発問に解答した参加者の事実関係の理解度に有意な差はみられなかった。推論発問と事実発問は、事実情報の理解度に差がないので、推論発問をリーディング指導に取り入れることは、事実情報の理解の点で問題はないといえる。ただし、事実情報の理解度について英文読解力の主効果が有意であり、英文読解力上位群と下位群の参加者の事実情報の理解度には有意な差がみられたため、学習者の英文読解力に合わせた難易度のテキストを選定することが重要である。また、評価発問に解答した参加者の事実情報の理解度は、事実発問に解答した参加者の事実情報の理解度よりも有意に低かったが、評価発問に推論発問を加えて与えれば、事実情報の理解度は、事実発問を与えた場合と有意な差はなかった。したがって、リーディング指導において評価発問に加えて推論発問を与えれば、事実発問を用いなくても事実情報の理解度の点で問題はない。 以上の結果から、英語リーディング指導において、学習者の英文読解力に合わせた難易度のテキストを選定し、推論発問、または推論発問と評価発問の組み合わせで読解発問を与えることにより、事実発問を用いることなしに学習者に事実情報の理解を促したうえで、深い読みへと導く指導が可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した平成25年度および平成26年度の研究計画にほぼ沿って、研究を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度および平成26年度の研究成果をふまえて読解発問を活用したクリティカル・リーディングの指導を実践し、その効果を検証する。読み手の意見が分かれやすいテキストを使用し、事実発問と推論発問により内容理解を深め、評価発問によりテキストについて自分の意見を構築する授業を実践する。批判的思考力、批判的思考態度、読解ストラテジーの認識について事前テストと事後テストを実施し、授業の効果を検証する計画である。
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Causes of Carryover |
参加を計画していた研修が開催されなかったため、そのための研修参加費と旅費は使用されなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度、上記の研修に参加する予定である。
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Research Products
(2 results)