2014 Fiscal Year Research-status Report
障害者言語情報保障のための二次元コード連結複合情報端末機器開発の研究
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25370661
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
馬場 景子 日本福祉大学, その他部局等, 非常勤講師 (80424943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 長貴 山形県立米沢女子短期大学, 英語英文学科, 教授 (00214825)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 二次元コード / 点字付き触る絵本 / 多文化理解 / 動画再生リーダー(手話ペン) / 音声再生リーダー(音声ペン) / 3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の当該研究の目的は、平成25年度に作成した二次元コード動画である『学校生活の手話』(ろう教育の明日を考える連絡協議会編)を更に進歩させ、アクリル樹脂をUV照射により硬化させる印刷技術により作成された点字付き絵本の内容を、日本手話と日本語音声を一冊の本での再生を実現させた。さらに、日本手話・日本語音声・日本語・英語の逐次再生を可能にするため、A4サイズのシートに情報が格納されたシールを絵本のページに対応させた。この再生により使用者は、各情報をランダムに再生することが出来るようになった。聴覚に障がいを持つ人たちが手話という言語を持つ文化に属する人であり、視覚に障がいを持つ人たちは「触る文化」に属する人であるという考えをもとに、障がいを持たない人も一冊の本、一枚のシートで多文化理解の可能性を示した。この研究公開に関しては、文部科学省認定教育関係共同利用拠点 筑波技術大学高等教育研究支援センター「障害者高等教育拠点」事業 語学教育のイコールアクセスを考えるシンポジウムでパネリストとして研究の一端を提示した。 また、視覚障がい児のために作成された社会福祉法人桜雲会編『おとがでるえほん かいてみよう きいてみようかんじ1』(平成26年度株式会社小学館助成)の二次元コード全面印刷による音声再生可能な本の出版協力も行った。この本の特徴は、視覚障がい児のみならず知的障がい児も対象にしている点である。 本研究の研究分担者の北山長貴氏は「小学生の英語教育」に関しての教材の二次元コード化を行い視覚障がい児童への英語教育情報保障の研究を行っている。 さらに、本研究の連携研究者である小川雅魚氏の著作『潮の騒ぐを聴け』(風媒社)が点字出版されたことにより、文学作品の情報保障という観点からも、この研究グループの協力体制が、多角的な広がりを表している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
聴覚障がいを持つ人たちへの情報保障として二次元コードに画像作成コンテンツを作成した。当該研究は、『学校生活の手話』(ろう教育の明日を考える連絡協議会編)を平成25度作成した加え事に、平成26年度は、視覚に障害をもつ子どものためのさわる絵本の内容を日本手話・音声・日本語映像・英語映像化を実現させた。二次元コード研究においては、日本で最初の試みである。 さらに、社会福祉法人桜雲会編『おとがでるえほん かいてみよう きいてみようかんじ1』(平成26年度株式会社小学館助成)の出版に貢献した。 以上の研究の達成度は、単に研究にとどまるものではなく、障がいを持つ人と持たない人に同じコンテンツを提示することによりイコールアクセスを実現させることの可能性を示唆することで、広く社会に貢献する内容となった。
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Strategy for Future Research Activity |
視覚障がい、及び聴覚障害をもつ児童を対象にした二次元コードと読み取り機器の活用を今後の推進方策とする。視覚障がい児への適応に関しては、3Dプリンターで文字を作成し、表面上に情報が格納されている二次元コードのシートを添付する。点字と立体コピーで作成された本・3Dプリンターで作成された文字・社会福祉法人桜雲会編『おとがでるえほん かいてみよう きいてみようかんじ1』の組み合わせ方法により、知的障がい児童への教育情報保障が可能になると考えられる。 聴覚障がいを持つ人への二次元コード活用は、American Sign Languageのトピック理解のために骨伝導機器との連結の情報収集を行う。
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Causes of Carryover |
今年度の研究は、社会貢献度の高い研究となったが、論文投稿を行っていないため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額に関しては、今年度の研究計画にも記載したように3Dによる非実在物の作成などの研究に充てるとともに、学会参加費及び旅費などに充填して使用する予定にしている。
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Research Products
(4 results)