2015 Fiscal Year Research-status Report
日本人英語学習者の動機づけ変容過程に関する調査と授業実践への応用
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25370666
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
大和 隆介 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60298370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動機づけ / 自己調整能力 / 理想自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「L2動機づけシステム」(Dornyei: 2005,2009)の観点から日本人英語学習者の動機づけに関する時間的変容とその要因を検証することを目的としている。 平成27年度は、これまでの調査により得られた知見(①L2理想自己については、中学から高校に至る学年進行により変化がほとんど見られず、大部分の学習者が具体的な英語使用に関する将来の自らの姿を描けていない可能性がある。②義務自己と学習経験は学年進行により増減する傾向がある。③学習経験の多様性が減少すると学習義務自己と学習意欲喪失の割合が高まる傾向が見られる。)に留意して、Keller(1983)が提唱しているARCSモデル、Ryan & Deci(2002)の自己決定理論、Oxford(2011)の自己調整型ストラテジーモデルを参考にしながら、日本人が英語を学習する際のL2理想自己の形成に役立つ授業のあり方を考察した。 具体的には、大学生を対象に以下の3つの要素を組み入れた授業を約10回約3か月間行い、その教育効果を考察した。(1)授業を通してARCSモデルを参考に学習者に出来るだけ成功経験を提供する。(2)その際、学習者は学習ストラテジーを活用しながら徐々に自己調整能力を高める。(3)学習活動を通して英語使用と将来の自己を関連づける活動を取り入れる。 この授業の前後で、①自己効力感、②自己調整ストラテジーの使用、③理想自己の形成の・動機づけ傾向の変化などを尋ねる質問紙調査を行い、授業実践による変化を検証した結果、以下の点が示唆された。(1)授業で取り組む言語課題については自己効力感の上昇傾向が認められた。(2)自己効力感が向上したにもかかわらずL2理想自己の形成は殆ど促進されなかった。(3)自己調整ストラテジーの使用頻度と自己効力感の向上には有為な相関は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成27年度は、理想自己の形成に資する指導法を開発する予定だったが、効果的な指導法の開発には至らなかった。その大きな要因は、当初の指導法では、Keller(1983)のARCSモデルやOxford(2011)の自己調整ストラテジーモデルなど理想自己の形成に寄与する要素に注目し過ぎ、動機づけ喪失要因に対する配慮が不足していた可能性がある。したがって、理想自己の形成を促進する要素と形成を阻害する要素の関係を整理しなおした上で再度授業実践を行う必要があると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度は、理想自己の形成に資する指導法を開発する予定だったが、その開発過程において、当初の指導理念[Keller(1983)のARCSモデルやOxford(2011)の自己調整ストラテジーモデル]だけでなく、動機づけ喪失要因を考慮することが重要であることが明らかとなった(平成28年1月学会発表)。したがって、平成28年度は、以下の4つの要素を組み入れた授業を実践し、その教育効果を学会等で発表する。 (1)Keller(1983)のARCSモデルを参考に学習者に出来るだけ成功経験を提供する。 (2)その際、学習者は学習ストラテジーを活用しながら徐々に自己調整能力を高める。 (3)学習活動を通して英語使用と将来の自己を関連づける活動を取り入れる。 (4)授業を通して動機づけ喪失要因の特定とその軽減を図る。
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Causes of Carryover |
平成27年度は、理想自己の形成に資する指導法を開発する予定だったが、その開発課程において、当初の指導理念[Keller(1983)のARCSモデルやOxford(2011)の自己調整ストラテジーモデル]だけでなく、動機づけ喪失要因を考慮することが重要であることが明らかとなってきた(平成28年1月学会発表)。それらの3つの要素を統合した指導法を構築し学会等で発表するため、1年の研究期間延長が必要となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の指導理念[Keller(1983)のARCSモデルやOxford(2011)の自己調整ストラテジーモデル]だけでなく、動機づけ喪失要因を考慮することが重要であることが明らかとなってきた(平成28年1月学会発表)。それらの3つの要素を統合した指導法を構築するための教材作成および学会発表等の旅費とする。
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Research Products
(1 results)