2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Temporal Changes of Japanese EFL learners' Motivation and its application for language instruction
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25370666
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
大和 隆介 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60298370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 動機づけ / 自己調整能力 / 理想自己 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学から大学にいたる一般的な日本人英語学習者を対象とした平成25年~26年における調査から、L2動機づけ自己システムの3要素(L2理想自己、L2義務的自己、学習経験)に関して、学習者の学習意欲に与える影響力は、学習経験>義務的自己>理想自己となる可能性が高いことが示された。加えて、①理想自己の形成については中学から高校に至るまで大きな変化は見られないこと、②英語に対する学習動機として、義務的自己と学習経験が占める割合が学年進行により増減すること、③学習経験の多様性が減少すると義務的自己の割合が高まり、合わせて学習意欲が減退することが示された。 これらの知見を踏まえて、平成27年度はKeller(1983)のARCSモデル、Oxford(2011)の自己調整型ストラテジーモデルを参考として、自己調整ストラテジーの使用を促進し自己効力感の向上や理想自己の形成につながる指導を試行した。その過程で、学習意欲を促進する要素だけでなく、学習意欲を減退させる要因についても配慮することが重要であることが明らかとなった。 平成28年度においては、多様な言語活動を提供する中で、学習者が学習ストラテジーを活用しながら自己調整能力を高める活動、取り組んでいる英語学習と将来の理想自己を関連付ける活動、言語活動に対する学習意欲を減退させる要因をふり返る活動を組み込んだ。こうした指導を検証したところ(1)学習ストラテジーを効果的に使用し言語活動を通して多くの成功体験を得た学習者については自己効力感が上昇したが、(2)自己効力感が向上したにもかかわらずL2自己理想自己の形成はあまり促進されなかった。一方、(3)学習意欲が低く、与えられた指示のみに反応する受動的学習者については、自己調整的学習ストラテジーを使用することなく言語学習や自らの言語能力に関して非生産的あるいは誤った信念を有している傾向が見られた。
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Research Products
(1 results)