2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉田 信介 関西大学, 外国語学部, 教授 (50230743)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際交流イベント / リンガフランカ / 国際交渉力 / 交渉方略モデル |
Research Abstract |
今年度の前半は,国際交流イベントへの参加準備段階として,国際パートナー大学の決定(中華民国高雄市義守大学),参加国予定国のリンガフランカとしての英語の諸相の音韻・統語・談話的特徴)の文献調査,情報リテラシー(Facebook, Line, Skypeの活用方法の検証)の調査, 国際交渉力に関しては,オレンジ問題やW.Uryの一連の著作の精読,ならびに,ビジネスコミュニケーションにおいてしばしば用いられる「交渉方略モデル(Robbins, 2010)」をあてはめ、そこで使われる英語コミュニケーション力、社会言語学的能力、談話力、方略力、レトリックの記述・分析方法についての知見を得た。 後半は,実際に2つの国際交流イベントに参加することで,多くの知見を得た。それらは,1)第15回World Youth Meeting: 平成25年8月3日~11日「ステレオタイプを打ち破る」(愛知県知多郡美浜町日本福祉大学),ならびに,2)第11回Asian Student Exchange Program: 平成25年12月24日~29日「Unsung Heroes」(中華民国高雄市義守大学)である。その結果,事前の国内チームでの打合せの結論と,相手国チームの考え方とのすり合わせが困難であったこと,Skypeなどの遠隔ICTでは,交渉方法に限界があること,現地での対面による打合せで初めて相手の真意がくみ取れたこと,単なるIntroduction, Body, Conclusionの分担合作ではお互いのアイデアがちぐはぐになり,結局最初からプレゼンテーション全体のアイデアの再設定をする必要が生じたこと,初期段階でのブレインストーミングに多くの時間と労力をかけることで,全体の主旨がより明確になること,など多くの知見を得た。これらの成果を,関西大学外国語教育学会での講演で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究予定である準備段階,ならびに導入段階を終え(研究実績の概要参照),2年目に予定している活動段階への準備として,パイロット的に2つの国際交流イベント(第15回World Youth Meeting[愛知県] 平成25年8月3日~11日,第11回Asian Student Exchange Program[台湾高雄市] 平成25年12月24日~29日)に参加した。これらに参加した結果,リンガフランカとしての英語力(キーワードの英単語の意味の両国における誤解と理解),国際コミュニケーションツールとしての情報リテラシー(Skype、Line, Facebookの使い分けと効果的な運用方法),コンフリクト解決に必要な国際交渉力(両国チームでの意思統一と交渉者への全権委任)について,具体的な知見と示唆を得た。しかしながら,交渉においては,宥和・妥協の域を出ず,真のウィンウィンを導く協働(Collaboration)には至らなかったこと,CEFR指標による日本と台湾の大学生の英語力の測定が行われず,次年度の研究課題として残した。
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Strategy for Future Research Activity |
交渉力ワークショップについては,第16回World Youth Meeting[平成26年8月7日~8日],ならびに,第12回Asian Student Exchange Program[平成26年12月28日~29日]の事前研修における合宿で開催予定である。その内容は,Conflict skillsのみならず,国際交渉において必要な Diversity awareness, Communication skills, Team workの習得を予定している。ここへの参加者には,両大会への参加者,ならびに引率教員も含まれる。CEFR指標については,B1身近な話題を理解して、意思と理由を簡単に表現できるレベルから,B2社会生活上の幅広い話題を理解して、自然な会話ができる程度への引き上げをめざし,教材の作成を行う予定である。ここには,過去の両大会におけるVTR記録,ならびに事前交渉における英語での対話記録を反映させ,実際の場面における生きた素材を用いる。これらの成果を,学会誌に発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
洋書購入の際に,当初予定していた金額より安価に購入できたため,次年度使用額が発生した。 データ整理用のDVDの購入にあてる予定である。
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Research Products
(2 results)