2014 Fiscal Year Research-status Report
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25370670
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
吉田 信介 関西大学, 外国語学部, 教授 (50230743)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際協働プロジェクト / アクティブ・ラーニング / リンガフランカ / ICT / コンフリクト / 英語教育 / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
1) リンガフランカとしての英語の体感:国際協働プロジェクト参加者には、a) 英語という言語が参加チーム間(EXPANDING CIRCLE:日・中・韓・台・カンボジア)と(OUTER CIRCLE:インド、フィリピン、マレーシア)で共通語として使われることで、母語話者(INNER CIRCLE)の専有物ではないこと、b) OUTER CIRCLEがすべて英米化しているわけではなく、英語がこれらの国々の文化・伝統・価値観などを表現する手段となっていき、その地域の社会的必要に応じて変化していること、c) この流れはEXPANDING CIRCLEへも広がっていることが、交流を通じて改めて確認された。
2) 英語を使って実際にできることの意識化:外国語としての英語を学ぶ大学生同士の国際協働作業による問題解決・交渉・プレゼンテーションを行うのに必要な英語力をCEFR(Can-do List)でみた。例えばSpeakingでは、WYMおよびASEPで発表評価基準の「活動や調査研究の内容をわかりやすくまとめて、結論や提言を導くことができる」とされているものとして、熟達レベル「C1:複雑な話題を理解して明確で論理的な表現ができる」および自立使用者「B2:社会生活上の幅広い話題を理解して自然な会話ができる」に相当する。これは、いわゆる国際交流で必要とされる「B1:身近な話題を理解して、意思と理由を簡単に表現できる」とは一線を画するものである。
3) 単語概念の内包の違いによる異文化への気づき:日本では、他者と分かち合うことをシェアすることから“share”(共有する)を社会に広めるという意味で用いても伝わらず、“spread”(広める)で通じさせることができたことから、議論の大前提となるキーワードが内包する意味が異なると、誤解を生むことに気づいたことは、国際協働プロジェクトならではの成果と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)準備段階においては、国際パートナー大学の決定(中山大、義守大、輔英大)、リンガフランカとしての英語力(Kachruらの文献)、情報リテラシー(ICTによる交流授業関係の資料)、国際交渉力(Thomas[1992], 佐久間[1989]、太田[2005]の文献)に関する文献、ならびに先行研究の知見の蓄積を行った。 2)これらを受けて、導入段階においては、交流先(上記各校)とのコンタクト開始。パートナー大学生の英語力(Comprehensive Test, CEFR)、情報リテラシー(「高等教育のための情報リテラシー能力基準」)に基づく、交渉力(「交渉ケースブック」の事例に基づく)についての調査。交流で必要なICT設備(Skype)の設置を行った。 3)活動段階では、交流プロジェクトに向けてのTV会議での事前活動、現地での国際交渉力ワークショップの開催、対面による国際協働プレゼンテーション大会(WYMおよびASEP)での発表と記録を実施してきた。以上の実績から、本研究はおおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度においては、本プロジェクトの評価と、成果の公表を行っていく。 1)評価段階としては、パートナー大学生の英語力、情報リテラシー、交渉力の変化の分析と評価を行う。具体的には、国内大学と海外大学からの国際協働プレゼンテーションの提出と事後報告書の作成・提出; ICT設備については、Skype, Facebook, MLによる記録の整理・評価・統括; 英語力については、国際交渉・アジア英語についてのCEFR指標の評価・総括; 情報リテラシーについては、国際交渉に必要な情報リテラシー指標の評価・総括; 国際交渉力については、コンフリクトと国際交渉力についての指標の評価・総括をそれぞれ実施する。 2)成果の公表では、国際協働による英語アクティブラーニングの実践とその効果について、広く関係学会等で発表する。具体的には、日本側専用HPでの公開、英語教育関係の学会(JACET, LET, JASELE等)、日本国際理解学会、日本教育工学会、日本交渉学会での成果発表をそれぞれ行う予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度の活動段階では、交流プロジェクトに向けてのTV会議での事前活動、現地での国際交渉力ワークショップの開催、対面による国際協働プレゼンテーション大会(WYMおよびASEP)での発表と記録を実施してきた。 しかしながら、このうちの交渉力の記録についての分析方針、つまり、映像分析方法、対面およびオンラインにおけるコンフリクト解決におけるカテゴリー分析(特に、妥協と協働の境界)が明確に定まらず、実際の詳細な分析開始にいたらなかった。そのため予定していた人件費がなくなったことにより、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1)研究の成果発表(国内学会3回)のための交通費、宿泊費、日当、2)研究打合せ(台湾出張1回)交通費、宿泊費、日当、3)資料整理・記録・アンケート配布回収資料作成、4)研究成果出版費用にあてる。このうち、資料整理においては、昨年度からの懸案事項である交渉力の記録分析についての人件費を含むこととする。
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Research Products
(2 results)