2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25370701
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
新田 晴彦 専修大学, 商学部, 兼任講師 (80424323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Walter K.Klinger 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (10275183)
岡崎 弘信 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (80405084)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 航空英語 / 操縦士 / 管制官 / リスニングエラー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の課題は、日本人操縦士や管制官は、(1)航空管制の英語においてどの部分に問題を抱えているのか。(2)それはどのような原因によるものなのかを探ることである。(1)のために、現役として働く操縦士や管制官を対象としてリスニング実験を行うべくリスニングシステムの構築からスタートし、このシステムは平成25年の10月に完成した。25年度末から被験者の募集を開始し、25年度は20名、26年度は13名の被験者を得ることができた。同時にリスニング実験も開始した。 リスニング実験は実際の航空管制の通話を聞き取る形で行い、日常的な通話、非常事態の通話など被験者ひとりあたり8種類のパターンのリスニングを行った。被験者は2名を除き現役の方々であり、実験のための時間がなかなかとれず、全員がリスニング実験を終えすべてのデータが揃ったのは平成26年の末であった。 実験結果の解析は平成27年の初頭から開始し、分析の結果、日本人操縦士や管制官のリスンニングエラーを起こす箇所がある程度見えてきた。その中で特徴的なのは、リスニングエラーの原因を日本人側のリスニング能力の欠如に求めるよりも、むしろ母語話者の口語音の崩れに求めた方が合理的ではないかという点である。母語話者の口語音の崩れが大きく、それが日本人操縦士や管制官を大きく混乱させていると考えられる。母語話者の口語音の崩れは今後の研究に引き継いでいくが、リスニングエラーに対する新たな知見を得られたと考えている。 これらの分析結果は平成27年の8月にFLEAT6(ハーバード大学)において発表した。
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