2014 Fiscal Year Research-status Report
レベル別ベトナム語教材作成支援システム開発のための基礎的研究
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25370714
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清水 政明 大阪大学, 言語文化研究科(研究院), 准教授 (10314262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿木 重宜 滋賀短期大学, その他部局等, 教授 (00321050)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ベトナム語 / レベル別教材 / 教材作成支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に構築した「レベル別語彙・文法項目リスト」の中でも特にレベル別語彙集(A, B, C)のデータに基づき、レベル別ベトナム語教材作成支援システム(プロトタイプ)を構築した。 その概要は、(1)上記AからCのレベル別に分類された語彙集(Aが「初級」、Bが「中級」、Cが「上級」、該当しないものは「級外」)を利用し、入力した文章に含まれる全ての語彙とレベル別語彙集を比較し、各レベル毎に分類する。(2)「各レベルの語彙数/全体の語彙数」並びに「級外」語彙の割合を計算し表示することにより、当該文章の全体のレベルを判断する基礎とするものである。 具体的なプログラムは、(1)ウェブブラウザ上で動作するプログラムのボックスの中に文章を入力する。ただし、文章の定義は、「.」「!」「?」までとする。改行されていても「.」「!」「?」があるまでは文章とみなさない。(2)抽出の必要なレベル(A, B, C)を選択する。これは、A, B, Cそれぞれ単独のリストのみ(あるいは2つのレベル)の表示を可能にするものである。(3)ボタンをクリックすると文章に含まれた各レベルの語彙が抽出される。(4)「A, B, C各レベルの語彙数/全体の語彙数」並びに「級外」語彙の割合を計算し表示する。以上を可能にするような仕様となっている。 このシステム(プロトタイプ)の実現は、まず他に類を見ない本邦初のシステムであり、今後ベトナム語検定試験の作成のみならず、世界中のベトナム語教育界に大きな影響を与えるものであると確信する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、初年度にシステムのプロトタイプ構築まで行う予定であったが、ベトナム語を対象とする実用に耐えうるプログラム開発には想像以上に時間を要した。しかし、ベトナムの研究協力者の多大なる貢献により、今年度内に相当程度実用度の高い極めて安定したシステムのプロトタイプを構築することができた。その成果は、当初予定していた2年度以降の作業を著しく軽減してくれるものであり、残る最終年度内に当初予定のシステム構築を問題なく完了することができると考えるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に構築したシステムのプロトタイプに基づき、日本国内のベトナム語教育に携わる研究者に評価を請う。評価の内容は、主としてシステムの動作確認と、抽出語彙レベルの妥当性についてである。同時に、現状のレベルAの語彙を更に2段階に分け、より細かいレベル分けが可能なシステム構築について検討している。また、本システムの利用によりレベル分けされた文章のストックを蓄積し、今後行われる予定のベトナム語検定試験問題作成のための重要な問題データベースの作成に寄与することを目指す。
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