2014 Fiscal Year Research-status Report
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25370726
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Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
秋山 朝康 文教大学, 文学部, 教授 (20383218)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 応用言語学 / 言語テスト / 教員採用試験 / パフォーマンステスト |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的と研究課題:近年、公立学校教員採用試験(2次試験)において各都道府県市や文科省のホームページ等で実施方法や評価基準など公開されているが、どのような点数で合否に至ったのか、またテストそのものの妥当性や信頼性についての調査結果等はどの教育委員会も明らかにしていない。受験生の人生を左右するテストにおいて、また、未来の教育を担っている採用試験であると考えると更なる情報公開が進むべきだと考える。本研究は教員採用試験の2次試験で実施されている模擬授業を使用したテストの妥当性・信頼性について調査する。研究課題は以下の2つにまとめられる。 1)模擬授業の評価者(指導主事・中学教師・高校教師)はどれくらい信頼できるのか? 2)評価者はどの程度公平に受験者を評価しているのか(偏り(バイアス)評価はあるのか)? 上記の研究課題をもとに、30人が模擬授業をし、上記の評価者17人(指導主事6人・中学英語教師5人・高校英語教師6人)がその模擬授業を評価した。評価項目6個(授業の構成力、指導力、教師の資質等)は各教育委員会が公開しているものとアンケートで得られた評価項目である。 研究結果と考察:1)に関しての研究結果は「各評価者は安定的に評価をしているがそれぞれ厳しさに違いがあるため受験生にとって不公平になる可能性がある」ということであった。さらに研究課題2) では、評価者により難易のバラつきがあるため評価者により、受験生の結果(合否)が異なる可能性があることを見出した。さらにそのような可能性がある評価は約25%に達していることが判明した。このことは教師を採用する側も採用される側にも重要な結果をもたらす可能性がある。そして次年度(最終年度)の研究課題はなぜ評価の偏りがあるのかをさらに調査し研究を進めていくつもりである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教員採用試験の模擬授業について評価者の信頼性や妥当性についておおむね計画通り進んでいると思われる。データ収集やその分析もおおむね順調にいっている。最終年度の、今年度はさらに分析をすすめ学会や国際ジャーナルで発表していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究としてはデータを統計的分析と質的分析結果をもとにさらに分析を重ねる。特に「なぜ評価者は同じ模擬授業を評価しても異なる評価をしてしまうのか。」このことを実施するためにThink-aloud protocol (TAP)を用いて評価者がどのように実際に評価しているのかを研究する。このことは、評価項目の精選や評価スケールの改善につながることを期待できる。また更なる研究方法の示唆を得たい。
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Causes of Carryover |
残りの金額は今年度6月香港で開かれる学会の宿泊費のためのものであり、宿泊先の請求が遅れたためのである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は豪州のアデレードや国際大会(イタリア)で開かれる学会に使用される予定である。またデータ分析の謝礼に使用される予定である。
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Research Products
(6 results)