2015 Fiscal Year Research-status Report
近代日本のアジア認識とインド―岡倉天心とインド知識人の交流から
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25370750
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
外川 昌彦 広島大学, 国際協力研究科, 准教授 (70325207)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タゴール / ヴィヴェーカーナンダ / 岡倉天心 / インド / ベンガル / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、研究計画の3年目として、調査資料の整理・分析、及びその成果のとりまとめと成果の公開を中心に研究が進められた。 具体的には、平成27年度の成果としては、共編著1冊、共著(分担執筆)2冊、査読付き論文2本、その他の論考が5本となっており、計画の初年度である平成25年度からの合算では、共編著2冊、共著(分担執筆)6冊、査読付き論文8本、その他の論考が10本となっている。また、研究報告としては、平成27年度には、4回の招待講演を含む9回の報告が行われた。そのうち、国際会議での英語を用いた報告が4回、バングラデシュの国語であるベンガル語を用いた報告が1回である。 これらの中で、特に本年度の研究成果に直接に関わるものとして、タゴールの事跡をそのノーベル賞受賞作品を通して紹介する山川出版社の論考や、タゴールの宗教思想の背景としてのベンガルの民俗文化の特質を論じるベンガル語での論考などが公表された。また、インド政府高等学術研究所による招待講演では、特にタゴールの宗教思想に結びつく課題としての、ベンガルの聖者廟における宗教的共存の可能性につて論じた。9月の日本宗教学会では、「近代インドのブッダガヤ復興運動―岡倉天心とタゴールの交流」と題する研究報告を行い、その成果を取りまとめた論考は、国際日本文化研究センターの学術誌『日本研究』に投稿され、その掲載が決定している。また、岡倉天心のインドでの活動の広がりを明らかにする手がかりとして、タゴールの書簡に見られる記述を分析した論考をまとめ、現在、投稿中である。 以上のように、平成27年度は、研究成果のとりまとめとその報告を中心に進められ、複数の論考が公開され、なお幾つかの論考が投稿中、及び投稿予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度には、共編著1冊、共著(分担執筆)2冊、査読付き論文2本、その他の論考が5本となっており、おおむね研究は、順調に進展している。特に、計画の初年度からの成果で見ると、共編著2冊、共著(分担執筆)6冊、査読付き論文8本、その他の論考が10本となっており、その計画は順調に進展していると判断される。同時に、なお平成28年度に向けて、査読中の論考を含む複数の論考が投稿予定となっており、これらの研究のとりまとめと公開が、次年度に向けた継続的な課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度中には、なお公表が出来なかった複数の論考の投稿が予定されており、平成28年度に向けて、引き続きそのとりまとめが行われている。また、平成28年度には、「宗教と社会」学会や日本宗教学会等での、その成果の報告が予定されている。 そのため、本研究計画については、その研究継続の申請を行うことで、最終年度に向けた成果のとりまとめ、及び成果の報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
平成27年度中には公表ができなかった複数の論考、及び学会報告などが残されており、継続してその成果のとりまとめを行い、平成28年度中にその報告・公開が予定されているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度の使用計画としては、研究成果の報告として、6月には「宗教と社会」学会において、9月には日本宗教学会において、それぞれ成果の報告が予定されている。また、その報告に基づいて、現在、査読中の論考を含めて、3本の研究論文の投稿が予定されている。
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Research Products
(12 results)