2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370752
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
岡本 充弘 東洋大学, 文学部, 教授 (40113930)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歴史理論 / 歴史叙述 / グローバリゼーション / 近代国民国家 / 文化史 |
Research Abstract |
ほぼ研究計画調書に記された内容にしたがって研究を進めた。今年度は東洋大学人間科学研究所プロジェクト「トランスナショナル・カルチュラルヒストリーの今後」(研究代表者岡本充弘)(平成23年~25年)が最終年度を迎えたので、その研究の総括に並行するかたちで、とくに歴史のトランスナショナル化にともなう歴史研究の変化と近年の文化史的研究の流れに重点を置き、海外の研究者との交流を深めながら研究を進めた。 具体的には7月にゲントで開催された「国際歴史理論ネットワーク」の第1回大会、9月にはイスタンブールで開催された国際文化史学会第4回大会、ドイツのボーフムで開催された国際史学史・歴史理論学会のメンバーを中心とする会合に参加し、ボーフムではPersonalization of History and Collectivization of Memoryと題する研究発表を行った。その成果をふまえて、11月には学習院大学史学会例会で「歴史の個人化、記憶の集団化」という講演を行い、また12月には文化史研究会で、国際文化史学会の議論内容についての報告を行った。またボーフムにおける会議の報告を中心として刊行が予定されているHistorians as Engaged Intellectuals に英文原稿を投稿した。 こうした一連の研究活動をとおして、近代国民国家の形成にともなって生じた歴史が、グローバリゼーションの過程で変容していること、およびそうしたなかで文化的要素が歴史認識においてもつ意味、などについての考察を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画調書の研究計画方法欄に記されたとおりほぼ進行している(共著書の刊行、海外学会への参加・発表、国内での発表、英文原稿の執筆、といった目標のいずれをも、ほぼ調書に記されたとおりに達成することができた)。また内容的にも、歴史の個人化と記憶の集合化という問題への検討をふまえた、歴史への文化史的なアプローチについての個性的な議論を国内外の研究者に提示することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
この間取り組んできたきた海外の研究者との交流をさらに推し進めていきたい。とくに有名研究者のみならず海外において革新的な議論を展開している中堅・若手研究者との交流を進め、そうした議論の内容を日本における研究に接合するよう試みていく。その媒体として、昨年度に参加した国際歴史理論ネットワークや国際文化史学会に参加している海外の研究者との連携を密にしていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の海外研究計画が4月から5月にかけての連休期に予定されているため、航空運賃などへの支出を見込んで、一部を繰り越した。、 次年度4月末に予定される海外出張費(旅費と滞在費)の一部に充当する。
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