2014 Fiscal Year Research-status Report
近世品川宿村の分節的な社会=空間構造に関する基礎的研究
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25370764
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 伸之 東京大学, 人文社会系研究科, 名誉教授 (40092374)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 品川宿村 / 社会=空間構造 / 全体史 / 比較類型把握 / 食売旅籠屋 / 遊郭社会 / 民衆世界 / 身分的周縁 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近世の品川宿村における社会=空間構造を全体的に把握し、これを叙述するための基礎作業として位置づけられる。前年度における基本的な史料群の所在状況の把握を前提として、今年度は以下の作業を実施した。①『品川町史』全三巻収録の史料に関する詳細目録の作成とデータ入力について、ほぼ8割を完成させた、②南品川宿名主利田家文書の階層構造分析を推進し、当該文書に包摂される二日五日市村などの関連史料群の位置づけについて検討した、③妙国寺関係の史料群をはじめとする寺社関係文書について、史料収集と分析を推進した、④地帯構造分析という視点から、南信州の山里である清内路との比較類型把握を実施した、⑤フランス・リール第二大学で開催されたコロークにおいて、当該テーマに関する研究報告を行った、⑥これまでの成果を岩波新書『都市ー江戸に生きる』の叙述に反映すべく原稿執筆に努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、研究は引き続き順調に進展し、第二年度として一定の成果を得た。しかし、当該テーマとの関わりで比較類型把握の視点から、その対象について、山里地帯に限定される点が課題として自覚された。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である2015年度においては、①南品川宿村関係の個別研究を推進し、モノグラフをまとめる、②これと北品川宿村との比較を試み、論点の一般化を試みる、などを介して本研究のまとめとし、次のステージにむけての課題を摘出したい。
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Research Products
(5 results)