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2015 Fiscal Year Research-status Report

西岡虎之助蒐集中世絵画史料コレクションの復元と模写技法の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 25370773
Research InstitutionWakayama University

Principal Investigator

海津 一朗  和歌山大学, 教育学部, 教授 (20221864)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高木 徳郎  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00318734)
榎原 雅治  東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2017-03-31
Keywords西岡虎之助 / 荘園絵図 / 絵画史料 / 民衆史研究 / 荘園 / 東京大学史料編纂所
Outline of Annual Research Achievements

1 和歌山大学寄託の西岡史料の調査 前年に引き続いて筆写史料の紙背文書書簡を精読した。撮影は中断して、各束ごとの書簡群の概要把握につとめた。
2 東京大学史料編纂所の西岡関係文書の調査。西岡の採訪記録について所在を確認し、調査の段取りをつけた。前年に引き続き、黒田日出男氏作成の『西岡虎之助氏蒐集コレクション目録』の内容について逐一チェックして元あたりした。ただし荘園絵図類については、閲覧施設とのかかわりで今年度は先送りをした。
3 西岡論文および絵画の現地調査 前年度にひきつづいて、西岡が主題とした紀州荘園について、主に宗教勢力圏とのかかわりから、個別荘園を群としてとらえる調査を実施した。とくに西岡の生まれ故郷でもあり、今年新たに世界遺産に追加登録の予定されている三谷往還についての絵画史料を蒐集して現地調査を行った。
4 和歌山時代の西岡虎之助の事績をわかりやすく紹介する教材ツールのなかで、『笠田荘フィールドミュージアム絵図』、『DVD西岡虎之助、紀南への旅』について、内容の詳細な校訂作業を行い、誤りを正した。特にスケッチの現地比定地の誤りについては、現地の調査ツアーの成果を盛り込んで大幅な改定を施した。今井修氏、小原淳氏らの最新の研究視点に学んで、従来の西岡史学に関する通説についても、多角的な再検討を実施した。また、そのためのテキスト作りに取り組んだ。一般教養「歴史学」、地歴教員必修科目「日本史概説」「日本家族史」で、西岡の反権力の生き様について講義して議論を深めた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

1 本学の新課程(観光学研究科・博士後期課程)の立ち上げに伴う兼任により、集中的な調査日程が組めなくなった影響で、東京大学所蔵の大判絵図調査がほとんど実施できず、全体の1/2程度に止まっていること。
2 2014・2015両年度にわたる附属図書館増改築および組織移転にともない、寄託者(所蔵者)である紀州経済史文化史研究所での史料閲覧が制限をうけたのは大きな誤算であった。
3 1・2の制約のもとで、当初計画の作業分担の見直しが必要となったが、調査協力者との会合の設定が困難だったため、弥縫策の修正を繰り返さざるを得なかったこと。現時点では、次項目の優先方針が確立している。

Strategy for Future Research Activity

1 本研究の中核課題である西岡影写本絵図については、とにかく全点を確認してその特徴をデータベースにまとめることを第一としたい。東京大学史料編纂所の目録の再チェック(とくに現況の失われた波形に対して)
2 西岡の史料採訪記録の確認(東京大学史料編纂所関係)
3 和歌山大学寄託資料の調査、この遅れを取り戻すために研究協力を大幅に増加する
4 「西岡史学と現代」(仮題)の絵画史料テキストを作成することで報告書にかえて、多様な資料から歴史像を再構築し、かつ権力者の思想統制からも自由であった地域研究の蓄積を史料集の形で現在に蘇らせたい。

Causes of Carryover

1 本学の新課程(観光学研究科・博士後期課程)の立ち上げに伴う兼任により、集中的な調査日程が組めなくなった影響で、東京大学所蔵の大判絵図調査がほとんど実施できず、全体の1/2程度に止まっていること
2 2014・2015両年度にわたる附属図書館増改築および組織移転にともない、寄託者(所蔵者)である紀州経済史文化史研究所での史料閲覧が制限をうけたため、予定していた研究協力(史料撮影等)が実施できなくなった。
3 1・2の制約のもとで、当初計画の作業分担の見直しが必要となったが、調査協力者との会合の設定が困難だったため、連携した調査が実施できなかった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

<旅費・謝金>調査協力者の援助を得て、東京大学史料編纂所「西岡虎之助蒐集絵画コレクション」の筆写年代推定作業を行うための調査旅費・指導助言謝金を執行する(史料編纂所作成の影写本との比較、西岡虎之助の史料採訪記録の確認) <人件費>和歌山大学寄託資料のの調査について、メモ類の紙背文書を最優先して書簡類を復元し、西岡周辺の人間関係を明らかにする作業 <物品費> 西岡史学をめぐる学術論争の意義を正しく理解するために不可欠の史学史資料を備える <その他>主に印刷費および郵送費にて、西岡史学に関する所期の研究成果を報告書として刊行して、史料集・報告書を普及する。

  • Research Products

    (7 results)

All 2016 2015

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] 書評 高木徳郎著『歴史の旅 熊野古道を歩く』2016

    • Author(s)
      海津一朗
    • Journal Title

      民衆史研究

      Volume: 90 Pages: 27-32

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 書評 呉座勇一著『日本中世の領主一揆』2016

    • Author(s)
      海津一朗
    • Journal Title

      史学雑誌

      Volume: 125-5 Pages: 20-30

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 惣国首都の空間構成とネットワークー世界史のなかの根来寺ー2015

    • Author(s)
      海津一朗
    • Journal Title

      説話文学研究

      Volume: 50 Pages: 34-44

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 蒙古襲来と日本文化2015

    • Author(s)
      海津一朗
    • Journal Title

      新編森克己著作集月報

      Volume: 5 Pages: 1-7

  • [Book] 西岡虎之助 民衆史学の出発2016

    • Author(s)
      海津一朗
    • Total Pages
      44
    • Publisher
      和歌山大学教育学部日本史研究室
  • [Book] フィールドミュージアムかせだの荘ー静川・文覚井編ー2016

    • Author(s)
      海津一朗
    • Total Pages
      16
    • Publisher
      和歌山大学海津一朗研究室
  • [Book] フィールドミュージアム中世日本の国境地帯 1585年2016

    • Author(s)
      海津一朗 松本俊哉
    • Total Pages
      16
    • Publisher
      和歌山大学岸和田サテライト

URL: 

Published: 2017-01-06  

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