2015 Fiscal Year Annual Research Report
日清・日露戦争期日本外交の基礎的研究―未刊行史料を中心に
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25370791
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
千葉 功 学習院大学, 文学部, 教授 (50327954)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 陸奥宗光 / 西徳二郎 / 未刊行史料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日清・日露戦争期に外務大臣や外交官を務めた陸奥宗光・西徳二郎を軸として分析を進めてきたが、その際、陸奥・西の一次史料の翻刻もあわせて行った。 研究の基礎となる「陸奥宗光関係文書」「西徳二郎関係文書」は複写をしたうえで、くずし字読解能力を必要とする書翰の読解に関しては、研究代表者自身が翻刻・入力を行った。くずし字読解能力を必要としない書類関係の入力は、アルバイトに頼んで順次行った。その結果、「陸奥宗光関係文書」に関しては、陸奥宛ての書簡や書類のうち主要なものの翻刻が完了した。また、「西徳二郎関係文書」に関しては、西宛てと西発信の書簡と書類のすべての翻刻が完了し、かつこれら史料からわかった西の足跡と思想についての解説論文を執筆して刊行することができた。翻刻した「陸奥宗光関係文書」「西徳二郎関係文書」は、現在刊行を準備中である。 これら史料群の翻刻は、日清・日露戦争期における日本外交の特質を解明するうえで重要な貢献をするのみならず、そもそも当該期の研究分野自体を活性化することが期待される。 さらに、上記の翻刻・入力した史料群を利用して、1892-99年の日本外交に関する研究を進め、成果を論文等の形式で発表した。具体的には、なぜ日清戦争が起ったのか、そして日清戦争がどのようにして日露戦争につながったのかを解明することを目的として分析を行い、成果を講座論文ならびに陸奥の回想録(『蹇蹇録』)の解説として刊行した。研究の結果、「日本型華夷秩序」のもとにあった日本がどのようにして西洋近代的世界秩序の論理に従って行動するようになり、一方で「華夷秩序」を再編しつつも維持しようとする清や朝鮮に対してどのように接してきたかを明らかにすることができた。
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