2014 Fiscal Year Research-status Report
近代日本の植民地における自然災害と防災についての研究
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25370806
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
山崎 有恒 立命館大学, 文学部, 教授 (00262056)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植民地期朝鮮 / 水害 / 災害 / 火災 / 火田民 |
Outline of Annual Research Achievements |
①「植民地期朝鮮歴史災害史料研究会」の活動 前年度に立ち上げたこの研究会は、若手研究者、院生、学部生で構成され、植民地期朝鮮で発行されていた『京城日報』より災害関係の記事を拾い集め、データベースを作成することを目的として活動を続けている。今年度も前年度に引き続き順調に運営され、当初の予定通り災害記事データベースを作成した。月一回の定期研究会に加え、2014年8月及び9月には合宿形式で集中的にデータベースの構築を進めた。次年度も引き続き同様のペースで研究活動を続ける予定である。 ②国内諸研究機関、史資料館での調査 植民地期朝鮮の災害に関して、東京の諸資料館(国立国会図書館、国立公文書館、防衛庁戦史資料室、外務省外交資料館、横浜開港資料館、神奈川県立図書館など)での調査を十数回実施し、特に火田民関係の史料(火災関係)や河川水害の史料を中心に収集を進めた。また韓国内での調査も実施し、2014年9月、及び2015年3月に韓国国立図書館、韓国国会図書館、高麗大学などで史料収集を行った。 ③学会報告~こうした研究活動を通じて、植民地期朝鮮における災害状況について、その根幹的な構造が解明されつつあり、そうした内容をまとめ、中間報告的ではあるが、2014年度機密費研究会(2015年3月27日早稲田大学)などでの研究報告を行った。火田民という朝鮮半島特有の社会状況が各種の災害の大きな原因となっており、その対策こそが朝鮮総督府官僚たちにとっての重要課題だったことが分かりつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで①朝鮮歴史災害史料研究会の活動、②国内外の諸史資料館での調査、の両者共に順調に推移しており、予定通り2016年度で一定の研究成果に到達できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度も前年度に引き続き朝鮮歴史災害史料研究会の活動を進め、予定通り戦前期の災害データベースを完成させる。また国内外での史料調査についても、2015年夏季調査で完成させる見込みである。その後は研究成果の取りまとめに集中し、2016年度中には成果を様々な形で公表する。
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Causes of Carryover |
2015年3月16日から25日にかけて予定していた東京での調査が、体調不良(急性胃腸炎など)により実施できなくなったため、その分として予定していた旅費が次年度に繰り越しとなった。またそれに付随して支出を予定していた物品購入費(図書類)や印刷費(史資料館での史料複写費)が支出できなくなったため、これも次年度に繰り越しとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度前半に東京での調査を三回(各二泊三日)実施し、そのための旅費として使用する。またその際各史資料館における史料複写費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)