2014 Fiscal Year Research-status Report
譜代小藩堅田藩の基礎的研究-地域社会の変容と藩政の展開-
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25370808
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
東谷 智 甲南大学, 文学部, 教授 (10434911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 智勝 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10300972)
鎌谷 かおる 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト研究員 (20532899)
水本 邦彦 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 教授 (60108363) [Withdrawn]
平野 哲也 常磐大学, 人間科学部, 准教授 (50735347)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 藩政史 / 譜代藩 / 地方支配 / 琵琶湖 / 村落 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究は以下の4点を中心に実施した。(1)堅田藩領の本堅田村の「諸色留帳」の写真撮影(昨年度から継続)、(2)すでに撮影済みの「諸色留帳」に関する月1回の輪読会、(3)研究成果の報告会、(4)研究分担者による史料の調査と収集。 (1)については、史料の保存状況が悪く開扉が難しい冊子を開く作業を行い、代表者と分担者の有する古文書の取り扱い技術で対応可能な冊子については、すべて撮影が終了している。今年度終了時点でより高度な開扉技術を必要とする冊子が残されている。(2)については、日記の内容を分担して精読し、発表する輪読会を昨年度同様に続けている。従来の堅田藩研究では全く明らかでなかった所領支配の実態や、堅田藩領と他の領主の所領との関わり、大津代官や京都町奉行所など幕府の役所との重層的な支配の様子が明らかになった。また、元禄14年(1701)の日記を史料翻刻して発表した。(3)本研究では、研究成果を地元(堅田地区や大津市)に還元し、様々な情報をフィードバックすることを一つの柱としていた。報告会は2015年3月8日(日)に大津市北部地域センターで行い、200名弱の参加者を得た。当日は、以下の4本の報告を準備し、報告終了後は、参加者と報告者の間で質疑応答を行い、相互の情報の共有を図った。(4)研究分担者の課題に即した史料調査を実施した。昨年度は滋賀県外の調査に重点を置いたが、本年度は滋賀県内の史料調査にも重点を置いた。また、堅田藩および堀田家の基礎的な情報を収集する目的から、藩主の墓所の調査を行った。また、藩主正敦が蝦夷地見分に行った際の記録について収集・分析を行った。 研究会は月1回の輪読会を中心に実施した。また、2015年3月7日(土)に今年度の研究成果を総括する会議を行い、今年度の成果を確認すると共に、次年度の課題についても情報を共有した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で本研究の成果を(1)「諸色留帳」の写真撮影、(2)「諸色留帳」輪読と成果公開、(3)研究成果の地元還元とフィードバック、(4)各分担者の課題に即し研究、に分けて説明した。おおむね順調に進展していると言えよう。 そのなかで、(3)については、想定以上の成果を生んだと考えられる。本研究に着手した際、堅田藩および堅田藩領における基礎的な研究が立ち後れており、その研究状況を克服することが課題の一つであった。藩および藩領について、基礎的な事実を明らかにすると共に、今後の課題を確認することができた。 一方(1)については、研究代表者、研究分担者の指導のもと、アルバイトの学生の作業による「諸色留帳」の開扉作業を進めた。また、カメラの台数を増やすなど冊子の撮影のスピードアップを行った。ただし、「諸色留帳」のなかには水分を吸収したため和紙同士が吸着し、木材のように堅くなった状態の冊子が残されている。これらの冊子は、研究代表者や研究分担者の技術では頁を開く開扉作業ができなかった。次年度の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「諸色留帳」の写真撮影を実施する。開扉作業ができなかった冊子については、回避技術を有する地元大津市の古文書修復業者に作業を依頼する。開扉作業が終了した冊子から引き続き写真撮影を行い、研究に必要な資料の確保を行う。 研究成果の発表は、以下の3つの柱を考えている。 (1)2014年度同様、研究成果の報告会を2016年2月に予定している。輪読を続けてきた「諸色留帳」に加え、本研究で収集・分析を行ってきた史料を用いつつ、成果発表を行いたい。(2)上記の報告会のほか、研究分担者などが各自の研究成果を発表していきたい。(3)2013年度、2014年度に引き続き、「諸色留帳」の史料翻刻を行い、甲南大学紀要に発表する。(1)~(3)を進めるに当たり、大津市歴史博物館の協力を得つつ進めて行きたい。 2015年度は本研究の最終年度に当たる。3年間の研究成果を集成するための研究会を行い、2016年度以降の研究の継続についても議論を始める。
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Causes of Carryover |
本研究の核となる史料(「諸色留帳」)の保存状態が悪い冊子が一部含まれており、ページをめくることができない開扉不能の状態になっている。そのため、撮影作業がストップしており、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度の始めより、古文書保存修復業者に依頼し、史料を破損することなくページをめくる作業を進めることにした。そのための費用として、次年度使用額を執行する。
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Research Products
(1 results)