2014 Fiscal Year Research-status Report
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25370811
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
河内 将芳 奈良大学, 文学部, 教授 (40340525)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 八坂神社 / 祇園社記 / 八坂神社文書 / 八坂神社記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度も、初年度同様に八坂神社への調査を定期的かつ集中的におこなうことができ、一定の成果をおさめたと考えている。とくに、これまで知られてこなかった古文書・古記録類の調査と撮影ができたことは大きな成果といえる。 これらの多くは、近世のものであるが、その内容からは、中世の状況をうかがい知れるものも少なくない。そして、近世のものからは、江戸時代の八坂神社の状況を解明するための重要な情報を得ることができ、今後の分析作業が必要と思われる。 また、初年度におこなうことのできなかった東京大学史料編纂所所蔵の写本「祇園社記」の撮影写真を入手し、その整理をすすめることもでき、これにより、八坂神社に所蔵される原本との比較が可能となった。 さらには、初年度と同様、近世の八坂神社にかかわる絵図も大量にみつかり、古文書・古記録の調査・撮影と並行して、調査と撮影をすすめることができた。近世の絵図をとおしてあきらかとなる八坂神社周辺の状況を把握していくことは、近世に成立した「祇園社記」を理解するうえでも重要と考えられる。ひきつづき、この点に関連する調査もおこなっていきたいと考えている。 以上ような調査状況をふまえつつ、活字化されていない古文書や古記録の翻刻作業をすすめ、それらを書物として刊行する準備もすすめることができている点は大きな実績であり、成果といえる。それの実現にむけて鋭意、調査ならびに検討作業をすすめていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度と同様、八坂神社での原本の調査を定期的かつ集中的におこなうことができていることが重要である。これは、調査先の八坂神社関係者のご理解・ご協力があってのことであり、たいへん感謝している。次年度もひきつづき、細心の注意と敬意をはらいつつ、調査をすすめていきたいと思う。また、調査の過程であらたに発見した古文書や古記録の整理もすすめることができており、より充実した内容へとすすんでいると思われる。なお、調査した史料の翻刻も順調にすすんでおり、出版の準備も順調にすすんでおり、その実現の加速化をはかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの蓄積されてきた情報と成果をふまえて、それらの分析をすすめていきたいと考えている。具体的には、これまで知られてこなかった近世の古文書・古記録が相当量存在していたことがあきらかとなり、それらを読み解いていくことで、近世における祇園社のありかたがかなりわかるのではないかという展望がみえるようになっている。したがって、それらの蓄積のうえで、分析の成果を論考等のかたちで公表できる準備も具体化させていきたいと思う。
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