2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370815
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
鹿毛 敏夫 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (60413853)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 戦国大名 / 海外史料 |
Outline of Annual Research Achievements |
16世紀後半にヨーロッパに贈られた安土城とその城下の屏風や「豊後の王」が建設した都市を描いた板には、織田信長の安土城や大友義鎮の豊後府内(もしくは臼杵)の城や館、都市構造等に関わる多くのデータが含まれていたと推測される。また、同じく板に描かれた日本の動物や男性・女性の姿、衣服の絵にも、文献史料では伝えきれない歴史的な視覚データが盛り込まれていたはずである。海外に現存するはずのそうした絵画や版画、彫刻等の史料を幅広く調査・蒐集することで、これまで国内文献史料のみでは描くことのできなかった学際的歴史像が浮かび上がってくるものと期待される。 本年度は、9月にインドネシアにおける現地史資料調査を実施し、国内においては、4月に広島、7月に瀬戸内、7月と12月に福岡での史資料調査を行った。 それらの調査成果は、2015年4~5月に開催された九州国立博物館特別展「戦国大名―九州の群雄とアジアの波涛―」の図録寄稿論文や、2016年2月開催の大内氏歴史文化研究会での研究報告「西国大名領国のアジア性」などで発表し、さらに一般向けには『アジアのなかの戦国大名』(吉川弘文館)という図書にまとめて公開した。 また、これまで3年間の調査において、特に、宗教性を帯びた絵画史料の調査・分析が従来の歴史学では研究対象として敬遠されがちで積極的に分析されてこなかった状況も判明した。最終年度のまとめに向けては、文字史料のみでなく、絵画や版画等の手法を通して諸外国へと伝達された日本情報の蒐集・分析に力を注いでいきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初スケジュール通りにおおよそ進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
海外に残存するはずの史資料が必ずしも想定した個人や機関に所蔵されているわけではなく、悉皆調査を行っても確認できないケースも少なくない。最終年度のまとめに向けては、可能な限りの確認調査を実施して、現状における成果として集約していきたい。
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