2014 Fiscal Year Research-status Report
江戸時代の神奈川県域における絵図の出版状況および浮世絵との関係についての研究
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25370817
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Research Institution | Kanagawa Prefectural Museum of Cultural History |
Principal Investigator |
桑山 童奈 神奈川県立歴史博物館, その他部局等, その他 (70332393)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 江戸時代の神奈川 / 江戸時代の出版 / 江戸時代の絵図 / 名所絵(浮世絵) / 寺社縁起 / 江戸時代の版元 |
Outline of Annual Research Achievements |
基本的には25年度に引き続き、現在の神奈川県域で江戸時代に出版された絵図および縁起の類の所在確認と資料調査を行った。年度の前半は25年度までに調査済みであり、対象資料の中でも重要な資料であると考える神奈川宿の茶屋が出版した『三五景一覧』について、資料紹介「石崎源六版『三五景一覧』の絵師たち-「人名録」を手がかりに-」(『神奈川県立博物館研究報告 (人文科学)』第四十一号、26年10月発行)にまとめる作業を優先し、後半に資料の所在確認と調査を行った。資料調査をさせていただいた機関は慶應義塾三田メディアセンター、国立公文書館(以上、東京都内)、神奈川県立図書館、神奈川県立金沢文庫(以上、神奈川県内)。また、今回の調査をきっかけに、奉職する神奈川県立歴史博物館にも自身が十分に調査していない資料があることに気づいたため、まず、館蔵資料を整理し、他館のものと比較することを26年度は優先した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
【概要】にも記したが26年度前半に途中経過報告として、資料紹介「石崎源六版『三五景一覧』の絵師たち-「人名録」を手がかりに-」(『神奈川県立博物館研究報告 (人文科学)』第四十一号、26年10月発行)をまとめたが、そのために予想以上の長い時間をとってしまい、調査、データ整理、研究が計画よりも遅れている。また、館内の資料調査、分析を優先したことも、館外所蔵機関における調査の遅れの要因となっている。したがって、27年度は遅れを取り戻すべく、職場における研究以外の仕事に割く時間を減少できるように努力する。
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Strategy for Future Research Activity |
与えられた3年間の研究期間で第一に行いたいのは館外各所蔵機関における資料調査である。そのために、調査に出て行けるように、職場における他の仕事の効率化をはかることが必須である。館外調査は対象とする資料数が多いが、出来うる限り行いたい。第二は調査で得た資料のデータ(デジタル画像を含む)の整理とデータベースの構築である。資料中の文字資料の読解などは、同僚の協力を得るが、それらの整理のために賃金でアルバイトを雇用する。データベースは25年度に構築をはじめ、データを蓄積中である。さらに27年度は公開用に体裁を整える必要がある。必要に応じて、アルバイト雇用日数を予定より増やし、自身は資料の分析に専念できるようにする。27年度は成果をまとめる年ではあるが、本研究は今後も神奈川県立歴史博物館で浮世絵担当者として研究するための基盤であり、継続するものであるので、基本となる資料の調査、情報収集に重点をおきたい。
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Causes of Carryover |
近年、各資料所蔵機関がWEB上で資料のかなり高精細なデジタル画像を全ページにわたって公開するようになった。そのため、カラーインクジェットプリンタを使って自身でプリントアウトすることができたこと、26年度の閲覧先の多くで自身による資料撮影が許可されたことにより、資料複写に係る費用(使用料)が発生しなかった。また、資料調査は神奈川県内および都内を優先したため、旅費に残額が生じた。計画が遅れ気味であるため、資料整理およびデータベース構築のためのアルバイトを雇用することを見送ったことで、謝金に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画当初、資料の画像(複写)は各所蔵機関でマイクロフィルムからの紙焼き複写や有料のデジタル画像を入手することを想定していたが、調査者自身による撮影が許可される機関も多いことから、資料撮影用の一眼レフカメラを購入する。現在まで個人で所有する一眼レフではないカメラを使用してきたが、資料の撮影には機能的に不十分な点がある。また、資料の画像入手については各機関でWEB上公開している資料のデジタル画像をカラー印刷するため、インクジェットプリンタ用インクを十分に購入する。27年度は成果報告の年なので、資料のデータを整理するアルバイトを前年度分に執行する予定だった日数を含めて雇用する。ほかは、計画にしたがって執行する。
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