2013 Fiscal Year Research-status Report
中国明清交替期における人事・科挙制度の変革とその継承に関する研究
Project/Area Number |
25370822
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 晃嗣 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50396412)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 科挙 / 貢生 / 中国近世人事制度 |
Research Abstract |
本年度(平成25年度)は、明末から清初にかけての科挙資格とそれに関わる様々な政策について分析を加えることを目的に、政書類や文集類を読み込んだ。そしてその過程で、明清時代を通じて最も早期に公に売り出された「監生」学位の歴史について俯瞰するとき、同様に国子監在籍の資格であった「貢生」学位について分析を加えることが是非とも必要であると考えるに至った。 そこで、未だ十分に明らかでない貢生に対する人事制度を中心に、「貢生」学位というものが明中期以降の官僚社会でどのように見なされていたのか、また進士偏重の風潮の中で、実際の人事上はどのような扱いを受けたのかについて、墓誌銘などの具体的な事例も加えつつ研究を進めた。その上でこの分析の途中経過について、ライデン大学(オランダ)、ローマ大学(イタリア)、東北大学(日本)の三大学合同のワークショップ(Workshop "Viewing the Body" Japanese and European approaches to concepts of the corporeal 2014年3月、オランダ、ライデンにて開催)において、"The bureaucracy in early-modern China and the judgment by appearances"というタイトルで発表を行った。そしてこの席上、歴史分野の研究者以外にも日本思想史、中国思想史などの研究者から貴重な助言を得ることができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
明末から清初における官僚制度、人事制度を分析する上で、避けて通れない問題を一つ洗い出せたことで、より具体的に史料を絞り込みつつ分析を進めることが可能になったと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
プログラム計画時点で予定していた通り、ヨーロッパに現存する明清中国関係(特に官僚制度・人事制度に関わる)の資料を収集することが緒に就いた。不慣れなことが多いが、ライデン大学所蔵の善本(Van Gulik collection等)を中心に、また優れた司書の方や日本学の先生方の助けを得て、効率よく資料の閲覧と蒐集を行いたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度後半期より、計画に従ってヨーロッパへの資料蒐集に赴いた。その際の渡航費などは、計画当初不確定であったため、わずかに次年度使用額が生じた。 帰国後、渡欧中に中国大陸において出版された、重要な資料や研究書の購入に充てる。
|
Research Products
(1 results)