2015 Fiscal Year Annual Research Report
中国明清交替期における人事・科挙制度の変革とその継承に関する研究
Project/Area Number |
25370822
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大野 晃嗣 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50396412)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 科挙 / 中国近世人事制度 / 外簾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度(平成27年度)は、二つの成果を得た。一つ目は、これまで研究を進めてきた、科挙の試験官人事とその歴史的な変遷について研究を深め、「明代の会試執事官体制の変遷について-外簾四所の人事とその変革を中心に-」(『東北大学東洋史論集』第十二巻)として発表したことである。この内容は本科研費のテーマ開始時に着想していたものであるが、時代を明代全体に広げ、またその体制が変容した背景について具体的に明らかにしえた。また同時に、その仕組みが清代にも影響を与えていることについても論及した。二つ目は「明朝の政策と清朝によるその継承についての一考察」というタイトルで、シンポジウムにおいて発表を行ったことである(「東北大学東北アジア研究センター創設20周年記念企画国際シンポジウム」)。ここでは、一般的に清代の制度と見なされる「捐納」と「加級」について、明代に淵源を持つことを印象論ではなく具体的に明示した。とりわけ明末崇禎年間にはすでに清代加級制度の根本原理の一つが存在することは、明清官僚制度の継承性を考える上で重要な要素であると考える。またこの席上では、清代モンゴル史、中央アジア史、近代チベット史などの優れた研究者からアドバイスを得ることができ、非常に有意義であった。
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Research Products
(2 results)