2013 Fiscal Year Research-status Report
元朝石刻拓影の目録化を通じての中国近世石刻史料学構築の試み
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25370845
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Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Nara University |
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Principal Investigator |
森田 憲司 奈良大学, 文学部, 教授 (20131609)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 東洋史 / 元朝 / 石刻 / 士大夫 / 序跋 |
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| Research Abstract |
本研究は、中国近世史においても基本資料である石刻について、元朝史関連のものを中心に、拓影あるいは原石の調査・目録化を行うことを通じて、中国近世の石刻について、目録記述の基本的事項を整理しようというものであるが、次のような作業を25年度はおこなった。
石刻資料、具体的には拓本の図像(以下拓影)を集積するため、拓影所載の文献の収集と調査をおこなった。新刊書については、掌握可能な限りは書店経由で購入したが、中国の地方出版で日本の書店ではカヴァーできないものをさらに集めるため、北京での文献収集をおこなった。また、国内の関係機関での資料調査をおこない、石刻目録の量的充実をめざした。
一方、石刻についての記述をより的確なものにするには、原石の調査が不可欠であるので、北京での資料収集の機会に石刻の実物調査をおこなった。
もう一点、石刻の持つ同時代資料としての性格に通じるものとして、書籍刊行時の序跋があり、元刊の書籍の序跋調査を拓影調査と並行しておこなうこととした。調査研究としてはいまだ不完全ではあるが、その一端は一般向けエッセイなどとして発表した。
その結果、学術論文としては、後掲のリストにあるように「近着石刻関係書所収元代石刻リスト12」、「可見元代石刻拓影目録稿・六続（従後至元至至正10年）」を刊行し、目録の一端を社会に公開し、研究者の意見を求めたほか、一般向けの成果公開として、2012年奈良大学図書館特別展示「古典籍と和紙の貼りこみ帖」展（東野治之と共同、2013年7-9月）の開催や、「『翰墨大全』追跡」(奈良大学図書館報『みささぎ』19、2014.3）などがある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本目録の作成は順調に進んでいるが、目録内容の充実のためには、次のような不十分点があり、調査の深化が必要である。
国内調査、および国外調査が十分ではなかった。
同時期の出版物などの序跋等の調査を行い、石刻記事との比較を行うという視点が必要であった。
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| Strategy for Future Research Activity |
26年度においては
より多くの拓影所載文献をカヴァーし、目録の充実を図る。そのため、26年度においてもさらに国内所蔵機関所収の文献調査をおこない、これを一つの柱にする。
目録記述の方式の確立。現在奈良大学総合研究所報に連載中の仮目録の記年分については、今年度内でとりあえず完成させ、元代石刻の資料記述について基礎的部分を確保する。これに基づいて元朝石刻拓影目録の内容を検討することによって、本研究の目的である「石刻目録記述の標準の作成」を目指す。基準に基づいて作成された目録については、可能な限り、27年度内に公開できることを目標とする。
原石体験の蓄積。目録作成はどうしても拓影に基づく作業になりがちである。原石そのものの観察は、拓影では気づかないことを気づかせてくれ、拓影の読み、目録記述の精度をアップさせるものであるので、より多くの機会を持てるよう努力する。
石刻資料とならぶ同時代資料である、刊本の序跋についての調査を進行させる。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
石刻関係関係出版物の入手量が予定より少なかったこと(物品費関係)、研究がアルバイトを使って整理を進行させるレベルまでに達しなかったこと（森田一人で足りた 謝金関係）、国内調査の対象が絞りこめなかったこと(国内旅費関係)などに由来する。
石刻関係文献については、前年度には入手におよばず、書店での入荷待ちとなっている文献の購入を進めるとともに、新刊書籍のチェックをより広範囲におこない、調査・記述の対象となる石刻の量を増やしたい。(物品費を支出)
国内所蔵機関所蔵の文献の調査を進行させ、それらを閲覧複写によって入手することで、書誌情報の充実を図りたい。(国内旅費を支出)
石刻調査の原点は原石の調査にある。機会を見て中国の石刻を探訪するとともに、前年度も行った刊本序跋の調査をおこなう。(海外旅費)
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Research Products
(2 results)
