2015 Fiscal Year Annual Research Report
ハンガリー・ジャコバン主義における共和政思想の転換とその展開に関する研究
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25370855
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中澤 達哉 東海大学, 文学部, 准教授 (60350378)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハンガリー / スロヴァキア / ジャコバン主義 / 共和政 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究最終年度の平成27年度は、前年度までの作業をさらに押し進め、ジャコバン主義における共和政思想の転換とその展開について、研究成果のまとめに従事した。 特に年度前半は、前年度までに収集できなかったスロヴァキア語・クロアチア語・ハンガリー語研究文献の収集に努め、その解読にあたった。この過程で入手する必要性が生じた一次史料群については、オーストリア共和国Haus-, Hof-, und staatsarchiv所蔵のハンガリー・ジャコバン主義理論家ハイノーツィ宛の書簡史料群(Vertrauliche Akten 48-1 Correspondentiae Heinoczianae 1774-1794: Nr. 5, Nr. 7, folio 1-225, Nr. 8-20, folio 1-287, Nr. 21-26, 28, 30, 31, 33-39, 41, folio 1-40. Verzeichnis aller Nummern bei Nr. 7, folio 223-224., 1774-1794)を入手し、年度後半にその解読にあたった。 この結果、前期ジャコバン主義思想の骨格たる「王のいる共和政」から、後期ジャコバン主義思想の骨格たる「王のいない共和政」へと移行する思想的背景が明らかになった。また、ハイノーツィとオーストリア・ジャコバン主義者とのネットワークも解明することができた。 なお、上記史料群の解読にあたっては、ハンガリー共和国・中央ヨーロッパ大学歴史学部のバラージュ・トレンチェーニ准教授、スロヴァキア共和国・スロヴァキア科学アカデミー歴史学研究所のエヴァ・コヴァルスカー主任研究員、オックスフォード大学歴史学部欽定講座名誉教授のロバート・エヴァンズ博士と研究打ち合わせを行い助言をいただくことで、史料解釈の正確性と客観性の確保に努めた。 以上の研究成果の総仕上げは、来年2017年に以下の要領で発行される予定である。中澤達哉「ハンガリー・ジャコバン主義における共和政思想の転換とその展開」森原隆編『ヨーロッパ史における〈統合〉の再検討』(2017年出版予定)。
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Remarks |
上記Webページの本科研内容および研究成果については現在工事中であり、研究成果の公開をまって5月末日までに公開となる。
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