2013 Fiscal Year Research-status Report
冷戦初期米軍と米議会のアジア認識実態の解明―安全保障・人種・国籍をめぐって
Project/Area Number |
25370858
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
HAYASHI Brian 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (30314165)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | アジア系アメリカ人 / 黄禍論 / アメリカ陸軍 / アメリカ議会 / 冷戦 / 安全保障 / 日系アメリカ人 |
Research Abstract |
[具体的内容] 2013年度においては、資料収集に力を入れており、研究計画通りに研究が進んでいた。年度初、研究対象であるジョージ・マーシャルとチャールズ・ウィロビーに関連する二次資料を収集・解読した。夏に、アメリカ陸軍の将軍たちと政治家とのコネクションを探るために、スタンフォード大学やワシントンDC及びメリーランド州にある公文書館、議員図書館、バージニア州にあるジョージ・マーシャル記念図書館などに、保管されている関連する一次史料を収集・分析していた。2014年3月、再びメリーランド州にある公文書館へ関連資料収集を行い、現在収集した資料を分析中である。 [意義] 2013年度に収集した一次資料は、これからの研究の土台となり、今後の実証研究に欠かせない非常に重要な資料である。また、今年度の目標とする、アメリカ陸軍側の「黄禍論が赤禍論へと変化プロセス」の解明は、これらの資料によって達成できる、と考えている。 [重要性] 本研究は、黄禍論から赤禍論へのプロセスの探究において、アメリカ政治家と軍隊の上層部の活動及び影響力に注目したものである。それにより、アジア系アメリカ人とりわけ日系アメリカ人が、第二次世界大戦から10年も経たないうち、アメリカ主流社会に受け入れられた社会及び政治背景に、重要な歴史側面を提示することができた。また、本研究は、アメリカのアジア系アメリカ人の受け入れ姿勢に関連する、冷戦期のイデオロギーの起源を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施内容及びその過程は、前述したが、これまでの研究成果は以下の形で公開する。(1)学術論文 Kilsoo Haan, American, Intelligence, and the Anticipated Japanese Invasion of California, 1931-1943,” Pacific Historical Review(March 2014):277-93が、出版された。 (2)2013年の研究を基にして、報告者が組織した学会パネルが、Pacific Coat Branch of the American Historical Association 2014 107th Annual Meetingの査読を経て、 August 14-16, Portland, Oregon United States of Americaで発表する。申請者のパネルで発表する研究論文"Extending the Boundaries: General Charles Willoughby and Congressmen Francis Walter in the Making of the 1952 Immigration and Nationality Act,”である。
|
Strategy for Future Research Activity |
2014年の目標は、この課題の研究計画に従うことである。それは、なぜパトリック・マッカラン上院議員が黄禍論をなくし赤禍論をとても積極的に取り入れようとしたのかを解明することに集中することである。それに加え、ジョン・ホッジの論文を調べ始めるため、そしてアメリカ海軍における黄禍論から赤禍論への変化に対する私の理解を確立させるために海軍の記録を調べ終わるため、ワシントンDCのNational Archivesに行く必要があるということである。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)平成25年11月、韓国のアメリカ研究学会(ASAK)を参加する費用一部は、主催した韓国政府が負担してくれました。また、(2)校務の事情により、本来予定した海外資料調査期間は、1週間ぐらい短縮しました。これらの事情を踏まえ、使用額を生じました。 平成25年度短縮された海外資料調査を、引き続き平成26年度で行います。
|