2013 Fiscal Year Research-status Report
ドイツ領ポーランドにおける政治文化―ライヒとポーランド
Project/Area Number |
25370869
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
割田 聖史 青山学院大学, 文学部, 准教授 (20438568)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ポーゼン州 / プロイセン / ドイツ / ポーランド / プロイセン議会 |
Research Abstract |
本研究は、19世紀後半のプロイセン(ドイツ)領ポーランドにおける政治文化の変容を検討することを目的とし、具体的にはポーゼン州をめぐる諸結社および議会を分析対象とする。 初年度である平成25年度は、ポーランド連盟およびポーランド議員団に関する史料収集を行うことを主たる目的とした。そのため、2013年8月にポーランドのポズナンにおいて史料収集を行った。 ポーランド議員団を含め、1849年から1850年に開催されたプロイセン議会におけるポーゼン州の問題については、「プロイセン議会成立期(1849年‐1850年)におけるポーゼン問題」『青山史学』32号(2014年1月)を執筆した。また、2013年12月に「歴史と人間」研究会・現代史研究会共催シンポジウム「地域史再考―ドイツとフランスの事例から」において、「地域から地方へ―1848年革命直後のポーゼン州をめぐる議論から」と題する報告を行った。この論文および報告では、19世紀前半のポーゼン州をはじめとした各州がプロイセンにおける固有の「地域」として国家と相対するという関係から、1848年革命を経て、プロイセン国家における中央と地方の関係へと、国家との関係性が変化したことを明らかにした。これにより、19世紀後半におけるプロイセン領ポーランドの政治文化を考える際の基本的事実を検討したと考える。今後は、これに基づき、さらに検討を進めていくことを考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ポーランドのポズナンにおける史料収集および国内外の文献収集などが比較的順調であること、および、プロイセン議会成立期に関する論考を発表できたため、平成25年度はおおむね順調であったと評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
1850年代のポーゼン州議会に関する論考を準備する。1848年以降の州議会については、従来ほとんど研究がないが、プロイセン国家における国家と地域の関係の変化を象徴するものと考えることができる。ポーゼン州議会を経年的に見ていくことで、ポーゼン州という地域における中央と地方関係の成立、ライヒとポーランドという観念のせめぎあいを見ていくこととする。また、ポーランド連盟に関しても検討を進める。
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