2013 Fiscal Year Research-status Report
日本列島後期更新世洞穴遺跡の立地と利用に関する考古学的研究
Project/Area Number |
25370905
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
渡辺 丈彦 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (90343003)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 旧石器時代 / 洞穴遺跡 / 洞穴利用の在り方 |
Research Abstract |
研究対象とする国内洞穴遺跡についてすでに基本的なデータベースの作成は終えているが、点検作業を実施したところ、データベース収録漏れの遺跡が新たに見つかり、また近年再発掘調査が実施され、最新のデータが付け加えられた遺跡も多くあることも判明した。 そのため、今年度は当初の計画を大幅に変更し、洞穴遺跡での現地測量調査等は延期、最新の発掘調査等の成果を盛り込んだ資料を新たに入手した上で、データベースの大幅な補訂作業を中心に行った。データベース補訂作業に際しては、最新式のデジタル・プラニメーターを使用することにより、これまで不十分であった平面積等の洞穴規模の確定に関わるデータを多く付け加えることができた。次年度以降の洞穴遺跡での現地調査では、洞穴遺跡の規模を確定するための測量が中心となる予定であったが、これにより、大幅に調査対象遺跡数や測量時の計測項目数を減ずることができた。 また、次年度に延期した洞穴遺跡での調査等を円滑に進めるため、特に東北地方・関東地方での洞穴遺跡出土資料を多く保管する研究機関において、土器、石器、動物骨など出土資料や写真・図面等の実見調査を行った。これにより次年度調査予定の洞穴遺跡の所属年代等について、新たな知見を多く得ることができた。 加えて、現地調査で必要な機材等の整備、調査協力者等と現地調査計画策定などの事前の打ち合わせ等も進めており、次年度以降の洞穴遺跡での現地調査を円滑に進めるための体制は十分に整ったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の概要で述べたとおり、研究の基礎となる洞穴遺跡データベースに、収録漏れの遺跡が新たに見つかり、また近年再発掘調査が実施され、最新のデータが付け加えられた遺跡も多くあることも判明したため、今年度はその補訂作業に多くの時間を要した。 そのため、一部、遺跡出土資料、写真・図面等記録の実見調査は実施したものの、平成25年度に予定していた北海道・東北地方・北関東地方の旧石器時代洞穴遺跡の現地測量調査や調査担当者・地域住民からの聞き取り調査等については実施することができなかったことが、計画がやや遅れているとしたことの理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に、研究の基礎となる洞穴遺跡データベースの補訂作業、洞穴遺跡での測量等の現地調査の準備や体制構築は概ね終了したので、次年度以降は、旧石器時代洞穴遺跡の現地調査を実施することとする。申請時計画では、25年度に北海道・東北地方・北関東地方の調査を実施する予定であったが、前述の理由により未実施である。そのため26年度はこれらも加え、北海道、東北地方、北関東地方、北信越地方、中国地方において、旧石器時代洞穴遺跡の測量調査等を実施し、特に遺跡密度の高い、四国地方・九州地方・西南諸島の調査については平成27年度に実施し、同年度中に旧石器時代洞穴遺跡データベースの公開及び研究成果の発表を行う予定である。 なお、今年度の洞穴遺跡データベースの補訂作業の過程で、測量調査を簡略化できる遺跡もみつかったが、基本的に携帯用GPS、携帯用小型三次元レーザー測量機器を用いた現地測量調査の方法には変更はない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の基礎となる洞穴遺跡データベースに、収録漏れの遺跡が新たに見つかり、また近年再発掘調査が実施され、最新のデータが付け加えられた遺跡も多くあることも判明したため、今年度はその補訂作業に多くの時間を要し、平成25年度に予定していた北海道・東北地方・北関東地方の旧石器時代洞穴遺跡の現地測量調査や調査担当者・地域住民からの聞き取り調査等については実施することができなかった。それにより測量調査等に必要な旅費、人件費・謝金等に未使用が生じたためである。 25年度に予定していたが未実施となった北海道・東北地方・北関東地方の旧石器時代洞穴遺跡の測量調査等は、26年度に予定していた北信越地方、中国地方等の測量調査とともに実施する予定である。
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