2013 Fiscal Year Research-status Report
オランダの農村地域における外国人労働力に関する研究
Project/Area Number |
25370909
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大島 規江 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90420661)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 季節労働者 / ホワイト・アスパラガス / リンブルフ州 / オランダ |
Research Abstract |
平成25年度は当該研究の一年目であり、まず、EUにおけるホワイト・アスパラガス生産地域をFAOSTATあるいはEUROSTATなどの統計により明らかにした。その結果、オランダではオランダ南部のリンブルフ州がその一大産地になっていることが明らかとなった。平成25年9月の現地調査においては、リンブルフ州内でもやわらかい砂質土壌の広がる北部地域が主たる生産地になっていることが分かった。そこでリンブルフ州北部を中心にホワイト・アスパラガス生産農家への聞取り調査を行った。リンブルフ州北部がホワイト・アスパラガスの一大生産地とはいっても、生産農家は広範囲に点在しており、当初予定していた土地利用図の作成は断念せざるを得なかった。生産農家の聞取りからは、ホワイト・アスパラガスは露地栽培ばかりでなく、ハウス栽培も行っていることが分かった。ハウスものの収穫は国内のガーナ人、エチオピア人、モロッコ人などを雇用して行っている一方で、温度調整のできない露地栽培では収穫時期には多忙を極める。このため、国内の労働者ばかりでは労働力需要が追い付かず、短期ビザを与えられたポーランドから季節労働者を雇用していることが明らかとなった。ポーランド人季節労働者はキャラバンと呼ばれるキャンピングカーに寝泊まりし、労働に従事していることも分かったものの、露地栽培ホワイト・アスパラガスの収穫期は4-6月なため、今回の調査では、季節労働者側への聞取り調査ができず、その実態の詳細については明らかにすることができなかったほか、聞取り調査のできた農家が3件と極めて少ないため、今後、聞取り調査のサンプル数を増やしていく必要性がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまで申請者は、オランダの都市部における(定住)外国人労働者について研究してきた。日本の農村および季節労働者に関する研究は行ってきたものの、オランダにおける当該テーマの研究は初めてであり、アポイントがスムーズに取れなかったりと調査が難航した。しかしながら、数は少ないものの、季節労働者を雇用する農家への聞取り調査ができ、ホワイト・アスパラガス生産の基本的知識とともに、季節労働者の概況を知ることができたので、新たな研究の第一歩としてはまずまずのものであったと評価する。
|
Strategy for Future Research Activity |
ホワイト・アスパラガス生産農家をスノーボール方式で聞取りしていく予定であったが、聞取り調査に協力してくれる農家が少なかった。このため、今後はサンプル数を増やしていく必要がある。また、ホワイト・アスパラガス生産時期の4~6月に現地調査を行うことで、ポーランド人季節労働者にも聞取りを行っていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
オランダ渡航費の節約により、若干の繰り越し額が生じた。 当初は9月のみの現地調査予定であったが、6月にも現地調査に行き、季節動労者に聞き取り調査を行う予定である。
|