2015 Fiscal Year Annual Research Report
オランダの農村地域における外国人労働力に関する研究
Project/Area Number |
25370909
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
大島 規江 茨城大学, 教育学部, 准教授 (90420661)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ホワイト・アスパラガス / 季節労働者 / リンブルフ州 / オランダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はホワイト・アスパラガス生産地域における季節労働者の実態について研究した 調査地域はリンブルフ州北部地域であり、マース川の左岸に位置する。この地域は耕作地に占めるアスパラガスの作付面積が2-4%となっており、オランダにおけるホワイト・アスパラガスの一大産地となっている。 ホワイト・アスパラガスの収穫はオランダに居を有するガーナ人、エチオピア人などを雇用して行っていたが、20年ほど前の1995年ころから徐々に外国人労働者を季節労働者として受け入れ始めた。現在では聞き取り調査を行った15戸のホワイト・アスパラガス生産農家・農業法人すべてが、外国人労働者を雇用している。外国人労働者はキャラバンと呼ばれるキャンピングカーや農家・農業法人が用意した簡易宿泊施設に寝泊まりし、労働に従事している。外国人労働者の出身国は、ギリシャ、ポーランド、ラトビア、ルーマニア、ブルガリア、ポルトガルなど実に多様である。概ね、ギリシャが古参の季節労働者であること加え、ルーマニアとブルガリアが新勢力であること以外に顕著な傾向は認められない。 この地域で最も大きい、すなわちオランダで最大のホワイト・アスパラガス生産者であろう農業法人の場合、2015年の季節労働者は233名である。このうち8名がスーパーバイザーと呼ばれる雇用主と労働者をつなぐパイプ役である。一般の季節労働者は親類や友人の紹介でこのスーパーバイザーを通して雇用主に紹介されるほか、雇用主の要求を伝えられる。ほとんどの季節労働者は3か月以内の労働を経て母国に戻っている。本研究では、オランダの農業は外国人労働者によって下支えされているといっても過言ではない実態が明らかになった。
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