2016 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Land Development in Monsoon Asia
Project/Area Number |
25370929
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
宮本 真二 岡山理科大学, 生物地球学部, 准教授 (60359271)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アジア・モンスーン地域 / 土地開発史 / 環境史 / 環境考古学 / 民族移動 / 災害 / 遺跡立地 / 人口移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度の当該研究では,3年までの成果をふまえて,①成果の公表と,②補足資料の収集を重点的に調査・研究を実施した.具体的には,東ヒマラヤ地域の土地開発史を検討する上で現地調査が実施しやすいネパールで,研究協力者をふまえてワークショップで成果の口頭公表と今後の研究課題について議論した.これまでの成果では,かつて申請者自らが提示した民族移動ルート(宮本,1996)と異なる事実が明らかとなった.とくに下から上流域という単線的な開発でなく,散布的な開発の実態が浮かび上がってきた.つまり食糧資源が限定的な高所山岳地域や,洪水氾濫によって居住域の維持にも危機がもたらされる低地へなどの「不均衡」な場所・状態を積極的に居住地として選択した事実が認められた.この「不均衡な場所」への移住は,既存研究では紛争・経済・信仰的根拠から定型的に記述されるが,事実に反する.また日本列島の沖積低地開発では,地形の発達過程に応じた開発が整合的であるが(宮本,2013)高所山岳地域ではその事実は該当せず,地滑りなど突発的なイベント型変化を利用した土地開発の実態が明確になってきたのである. さらに,研究代表者が研究分担者として参加する関連科研の経費によって,ミャンマーとブータンにおける研究協力者の所属する大学でも関係する成果の公表を行い,さらに補足資料も収集した. 上記に関わる成果もしくは調査過程などは,代表者の自己管理Web(http://www.big.ous.ac.jp/~miyamoto/)でも逐次継続して公表に努めた.
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Remarks |
宮本真二の研究成果等の公表に関するWebページ.
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Research Products
(16 results)