2014 Fiscal Year Research-status Report
先住民文化の普及と保護に果たす映像メディアの役割に関する応用映像人類学的研究
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25370938
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
分藤 大翼 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 准教授 (70397579)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / カメルーン共和国 / 先住民文化の保護 / 参加型映像制作 / 応用映像人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実績は、次の3点にまとめることができる。①国際学会・国際映画祭における民族誌映画の上映・発表。②共編著『フィールド映像術』の出版。③カメルーン共和国における現地調査。 ①については、研究代表者が制作した先住民文化(特に食文化)を描いた民族誌映画(記録映画)を国際人類学民族科学連合の研究大会において(5月18日)、またドイツのゲッティンゲンで開催された国際民族誌映画祭において(5月30日)上映・発表を行った。 ②については、フィールドワークにおける映像の活用法をまとめた書籍『フィールド映像術』を編集し、本研究課題のこれまでの成果をまとめた論文「結びつける力-参加型映像制作の実践」を執筆した。本書は1月15日に古今書院から出版した。 ③については、本研究課題における主要な取り組みとなる現地調査を2015年2月に実施した。カメルーン共和国東部州の熱帯雨林地域に暮らす先住民Bakaを対象に、これまでに制作した映像作品を上映し、先住民組織の代表者をはじめ、カメルーンの研究者などとも議論をおこない、今後の研究・制作の方向性を探った。集落で実施した上映会には多数の観衆が集まり、上映後に話し合いをおこなうことの有効性を確認することができた。また、先住民組織の代表者やカメルーンの研究者とも時間をかけて話し合ったことによって、今後の課題が明らかになった。この点については、インタビュー資料を整理・検討することによって、研究発表や論文の形で成果を公表する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の成果の一部を論文として執筆し、共編著書として出版することができた。また、カメルーン共和国における調査を実施し、先住民や先住民組織を対象とした映像作品の上映と討論をおこない、インタビューを通じて有益なコメントを多数得ることができた。また、カメルーンの研究者や映画制作者との共同も実現したことから、今後の研究協力が得やすい関係を築くことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の成果をまとめるとともに、平成26年度の現地調査を通じて明らかになった課題を踏まえて、先住民文化の保護と普及に資する映像メディアの活用法について検討する。その上で、平成26年度にカメルーン共和国で実施した調査資料を整理・検討し、カメルーンの研究者や先住民組織のスタッフと連絡をとりながら今後の研究の方向性を明確にする。
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Remarks |
申請者が制作した映像作品『jo joko』は、2014年5月28日から6月1日に、ドイツのゲッティンゲンで開催されたThe 12th Gettingen International Ethnographic Film Festivalに入選し、申請者は本映画祭に参加し、上映後の質疑応答を行った。http://www.gieff.de/Report2014.html
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Research Products
(2 results)