2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25370957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Sonoda Women's College |
Principal Investigator |
浜口 尚 園田学園女子大学短期大学部, 生活文化学科, 教授 (30280093)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 捕鯨文化 / 先住民生存捕鯨 / ホエール・ウォッチング |
Research Abstract |
平成26年3月16-30日、セント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島La Pompe地区およびPaget Farm地区において先住民生存捕鯨にかかる参与観察調査、聞き取り調査を実施した。あわせて同国農林水産省水産局、国家安全省グレナディーン諸島問題局においても関連情報を入手した。またNGO関係者とも面談を行った。現地調査で得られた成果は次のとおりである。 (1) 1996年以降、La Pompe地区において捕鯨を実施していた人物が捕鯨ボートを反捕鯨NGO団体((2)参照)に売却し、捕鯨業から引退した。一方、Paget Farm地区においては2013年漁期まで捕鯨ボートが1隻しか存在していなかったが、2014年漁期よりもう1隻の捕鯨ボートが捕鯨業に参画し、計2隻となった。 (2) 2012年より、ベクウェイ島の捕鯨をホエール・ウォッチングに転換することをめざす反捕鯨NGO団体が活動を始め、捕鯨関係者ほかをホエール・ウォッチングを体験させるためにドミニカ共和国、オーストラリアに派遣し、積極的に運動を展開している。上記(1)における捕鯨ボートの買収もその活動の一環である。 (3) 年間捕殺枠4頭という小規模先住民生存社会に対しても反捕鯨団体が働きかけを強めている事実を具体的に知ることができた。 本現地調査は平成25年度末に実施したため、当該年度中には成果を発表できなかったが、平成26年5月に学会発表2件、同年度中に論文発表1件を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通りにセント・ヴィンセントおよびグレナディーン諸島国ベクウェイ島La Pompe地区において現地調査を実施できた。さらに平成26年度計画を先取りする形で同島Paget Farm地区においても現地調査を実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きベクウェイ島において先住民生存捕鯨にかかる現地調査を実施する。また現地において反捕鯨NGO団体が捕鯨をホエール・ウォッチングに転換する運動を実施しているため、ホエール・ウォッチング関連情報も入手する。可能ならば、国際捕鯨委員会の先住民生存捕鯨小委員会に参加し、先住民生存捕鯨にかかる最新情報を入手する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請時において海外調査旅費を当時のレート、1米ドル=80円で計算していたが、海外調査実施時には、1米ドル=100円超となり、調査日数を減らすことで予算調整を行った。その際に生じた誤差による。 次年度の旅費に充当する。
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Research Products
(2 results)