2014 Fiscal Year Research-status Report
叙任権闘争期における法観念の変動ーザーリアー朝の王権を対象として
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25380003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西川 洋一 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00114596)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ザーリアー王権 / 叙任権闘争 / カノン法学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、第一にMGH Libelli de liteに含まれている叙任権闘争期の文献(BonizoのLiber ad amicum, Deusdeditのlibellus contra invasores et symoniacos)の他、比較対象として 12世紀にやはり皇帝と教皇の間の対立に関して著されたDialogus de pontificiato sanctae Romanae eclesiaeについて、そこで用いられている法的な概念、法的な論証方法等について検討を加えた。もちろん、Bonizo, Deusdeditのいずれもグラーティアーヌス以前の教会法学者であるので法源についての知識は豊かであり、諸法文の間の関連付けについても箇所によってはかなり論理的な操作を行っていることが確認される。しかし同時にそれらが神学的な論法と無媒介に結び付けられており、11世紀の教会法学の特徴がよく現れている。 これと並行して、第二にコンラート2世(国王在位1024-1039)、ハインリヒ3世(1039-1056)の国王証書について、そこで用いられている概念や法的な論理について調査を開始した。その結果、未だ全体について検討が終了したわけではないが、この時期にはザクセン朝の時代との連続性がかなり強く、同時代の教会法学文献に見られる法的な概念等の革新等を確認することは困難であった。これまでの部分的な検討の結果、ハインリヒ4世期には例えば教会フォークタイに係る証書等において詳細で正確な表現と、諸権力の間の秩序・関係を全体として捉えようとする傾向、さらには法源秩序の構造についての知的把握の萌芽が見られるように思われるので、ハインリヒ3世期との対比が問題となることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
法学政治学研究科長に就任し、十分な研究時間を取ることが予想以上に難しくなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように、これまでの検討の結果、新しい発展が集中的に見られると思われるハインリヒ4世の国王証書の検討を集中的に進める。これまでの部分的な検討でも、新しい展開が見られる時代なので、同時代の教会法学及びPetrus Crassusの著作と比較する。
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Causes of Carryover |
海外発注した図書の見積額と実際納品された際の金額に僅かな誤差があったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要な文房具の購入費に充当する
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