2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 竜一 大阪大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00257958)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 緊急事態 / 悪法 / リスク / 法哲学 / 思想史 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である本年度は、次の作業に取り組んだ。まず、前年度に引き続き、「緊急事態」概念にかかわる法思想史、憲法理論、政治思想などにかんする内外文献の渉猟とその精査を行った。それと並行して、「悪法」論にかんする法哲学=政治哲学文献、法思想史研究の渉猟し、それらに批判的吟味を加えた。 第二に、前年度に引き続き、「緊急事態」関連法制や災害特別措置法にかかわる国内外の文献資料の収集を行い、その精査に取り組んだ。 第三に、自己のこれまでのリスク論研究と、「緊急事態と悪法論」をめぐる内外の各種議論を一つの理論的枠組のなかに収める試みとして、北海道大学法理論研究会にて「リスク・緊急事態・悪法」と題する研究報告を行った。 第四に、東アジア圏における食・健康・環境にかんする学際セミナーにおいてコメンテータを務め、食・健康・環境に限らず、市民の権利と福利を保護するためには、自然科学上の知見のみならず、それを実際に機能させる統治構造の在り方がきわめて重要となることを指摘した。 第五に、戦時体制下における法律学と法学者の在り方にかんする共同研究『戦時体制と法学者 1931~1952』のなかに、「二つの戦時法体制の類似性と相違をめぐって──法哲学研究者の立場から」と題する論考を執筆した。
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