2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the regulae in Roman law, especially Pothier's regulae
Project/Area Number |
25380013
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
吉原 達也 日本大学, 法学部, 教授 (80127737)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ポティエ / Pothier / レグラ / regulae / 法学方法論 / 法学史 / Pandecte / 法体系 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本年度は、ポティエ 『新編ユスティニアヌス学説彙纂』Pandectae Justinianeae in novum ordinem digestae の最終章第50巻第17章「古法のさまざまなレグラエについて」のうち、第2部 人の法の以下の検討を通じて、同書におけるポティエの方法論の特色と後代への影響関係を明らかにすることに努めた。本来の学説彙纂同章は体系的な配列がとられていないのに対して、ポティエによる新編集では、原法文を換骨奪胎して、自らが案出した膨大なレグラエの中に配置し、全体として法学提要式を基本とした五部制に分類されている。本研究においては、その下位の分類の配列の詳細を個別に検討しつつ、その配列内部におけるポティエの独創性とその枠組み及びその後の私法学体系への影響関係の解明に努めた。 2.1例として、第2部冒頭自由及び自由人に関する論題において項目XCとXCI及びXCII~XCVの関係を挙げる。XCでは1から3という小項目番号が付せられた法文が列挙されるのに対して、次のXCIでは、レグラとしてのD.50,17,122の次に、「一般的な系」という特殊な項目が立てられている。「系」には、項目内部の小分類の場合(XCI)の場合と、一つの項目全体に対応する場合(XCII以下)との二用法がある。XCIでは「自由はいかなる事柄よりも尊重さる」の「一般的な系」として「自由のために厳格なる法に反する多くのことが創定された」が配され、以下XCII~XCVまで、一連の各則的系が列挙される。ポティエはこのような作業の積み重ねを通じて、独自の私法体系の構築過程の実相を明らかにした。 3.レグラエ法学及び中世ローマ法学以降のレグラエ的思考の受容関係について文献史及びポティエの個人史に関する研究を行った。 4.エジンバラ大学セミナーにおいて古代ローマ法の帰国権に関する報告を行った。
|
Research Products
(5 results)