2014 Fiscal Year Research-status Report
行政のコミュニケーション過程改革の比較法的検討ーEUサービス指令を契機としてー
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25380037
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| Research Institution | Kobe University |
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Principal Investigator |
米丸 恒治 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00202408)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 電子署名 / eID / タイムスタンプ / eIDAS規則 / de-mail / 電子書留メール / 電子データの長期保存 / webサイト認証 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成２６年度は、同年に欧州連合で制定され施行されつつある次世代電子署名認証法制に該当するeIDAS規則をめぐる動向と、同規則が我が国の行政手続だけでなく民民間・官民間等多様な通信の安全性を支える基盤的な法制度として注目すべき意義と内容を有することから、同規則の制定過程やその内容、射程範囲そして今後の加盟国法制に及ぼす影響等を調査し研究対象とした。
同規則は、本研究課題および申請者の従来の研究課題等で取り組んできた電子署名およびタイムスタンプ、そしてそれらを利用した電子データの証拠性を維持した長期保存だけでなく、ドイツのde-mail法制をも包摂するような署名認証法制度となっている点で、我が国の今後の法制度のあるべき方向についても、貴重な比較法的な素材を提供している。
その内容は、eID（電子的な本人確認手段）の法制化と加盟国相互間の相互運用のための法基盤、電子署名等の電子認証等を支える新たなトラストサービスの法制化をなすものであり、その新たなトラストサービスの中には、電子署名関連の認証サービスのみならず、タイムスタンプサービス、電子書留メールサービス、電子データの長期保存サービス、そしてwebサイト認証サービスについて、加盟国の法制度を標準化する法制度を構築したものである。
我が国では、電子署名法等で、電子署名についてのみ、電子的なコミュニケーション、電子データの信頼性確保についての法根拠が置かれているが、上記の各サービスについて、主としてドイツ法等を素材として調査研究をしてきた申請者の研究をさらに刺激し、今後の研究対象をも拡大する法制度と評価しつつ、来年度の最終年度のまとめに向けて、調査研究を進めているところである。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成２６年度は、昨年度の電子データの長期保存関連の研究テーマに続けて、前述したeIDAS規則の制定を受けて、同規則が、今後の電子的な行政手続のありかた、官民間・民民間のオンラインコミュニケーションの基盤法制として重要な法制度であること等について、調査研究を進めることができた点で、本研究課題で当初研究テーマとして掲げていた欧州サービス指令のさらに直近の重要な法制度についての比較法的検討を当初予想していた以上に進めることができたという理由から、当初の計画以上に、調査研究が進んだものと評価している。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成２７年度は、本研究課題についての最終年度であることから、平成２６年度に調査研究を進めたeIDAS規則に関連する比較法的な調査研究を公表する作業をすると同時に、研究課題全体のとりまとめに向けた作業を行う計画である。
eIDAS規則関連だけでも、本年度の調査研究だけでは終了し得ない重要なテーマであることから、今後のさらなる調査研究に向けての準備作業をも含め、さらには我が国で試行の準備がされつつある個人番号カードの利活用やさらなる法制度の展開についても、調査研究の対象として取り込むつもりでいる。
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| Causes of Carryover |
物品購入にあたって、申請者が予定して依頼した金額と実購入額の差額がでるなどして、二千数百円の繰越額が生じてしまった。また、予算額を無理に消化することもしなかったために、この繰越金額が生じている。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成２７年度は、本研究課題にかかる最終年度であることから、早めに計画的に予算執行を進めることにより、こうした執行の遅延をなくすこととしたい。
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