2013 Fiscal Year Research-status Report
欧米諸国における日本憲法研究の状況をめぐる憲法学的検証
Project/Area Number |
25380038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
新井 誠 広島大学, 法務研究科, 教授 (20336415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 順太 白鴎大学, 法学部, 准教授 (20382690)
小谷 順子 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40359972)
横大道 聡 鹿児島大学, 教育学部, 准教授 (40452924)
徳永 貴志 和光大学, 経済経営学部, 講師 (50546992)
木下 和朗 北海学園大学, 法務研究科, 教授 (80284727)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 憲法学 / 比較憲法 / 英米法 / フランス法 |
Research Abstract |
2013年度は、(1)英米仏においてこれまでいかなる日本憲法研究がなされてきたのか(あるいはいかなる資料が収集されてきかのか)について、本研究課題に参加する各研究者が、それぞれ分担する国の著書等の検討等を通じて調査を行った。また、(2)本研究課題に参加する研究者間で問題意識を共有し深化させるために、研究分担者間での打ち合わせ会を開催した。あわせて、(3)研究分担者からの報告とゲストスピーカーからの報告とで構成される研究会を行った。2013年9月に実施された研究会では、研究分担者の岡田順太氏から「占領憲法の影響に関する比較研究序説―日本とイラクの比較を中心に」とする報告が、またゲストスピーカーのシモン・サルブラン(Simon Serverin)氏(立命館大学嘱託講師)から「憲法のシンボリックな意味とフランスと日本における憲法改正」とする報告(本研究課題への助言等も含む)が、それぞれなされた。また同年12月に実施された研究会では、研究分担者の横大道聡氏から「アメリカ憲法の他国への『影響』について」とする報告が、またゲストスピーカーの山元一氏(慶應義塾大学教授)から「日本憲法学の重要文献をフランスに紹介することの意義」とする報告(本研究課題へのアドバイス等を含む)がなされた(山元氏報告に対しては、先の研究会で報告したサルブラン氏が、フランス側の視点からのコメントを担当した)。さらに(4)各研究者の研究のなかで一定の調査が進んだものについては、各研究者の所属大学における紀要にその研究成果が掲載された。(5)以上のことと並行して、次年度以降の研究活動方針について話し合い、新たなゲストスピーカーの招聘や外国での調査出張などの計画を行っており、またそれが進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者・研究分担者が、数回の研究打ち合わせ会や研究会を通じて、各人の研究対象を把握し問題意識を深めつつ、図書館への訪問等を通じて、それに関する基礎的資料等に関する調査をそれぞれ進めている。また、数回の研究会の開催により、研究分担者の研究報告のみならず、外部ゲストスピーカーからも報告をいただき、本件研究に関する情報提供を受けることができている。さらに、本件に係る研究分担者の研究成果が、いくつかの媒体を通じて一部公表されている。加えて、新年度に向けての研究準備も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の基礎的研究調査をふまえ、新年度は実際に、諸外国における日本法研究の状況について、現地調査を行う予定である。具体的には、アメリカなどの連邦議会図書館や大学図書館等を訪ね、日本憲法資料等の収集状況などを調査しながら、現地の関係者(図書館スタッフや研究者等)に日本憲法研究の状況や、かの地にとっての日本憲法研究の意義などについてヒアリングをするといったことになる予定である。そうした調査の成果について研究代表者・分担者間で検討し、適宜、研究成果を公表していきたい。また同時並行的に本研究課題にまつわる研究会などを開催していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
まず2013年度の研究では、旅費に関して、当初の研究実施計画に示した旅費予算よりも少ない額での執行に終わった。これは、国内での研究会の開催等の際に、できるかぎり合理的な予算執行を心掛けたことが一因とも考えられる。あわせて当初計画では、当年度に海外調査が必要になる場合にそれを実施するとあったが、それが不要であったことから旅費予算執行の減額につながったとも考えられる。特にこの後者の点については、研究の進行上での必要性を考えた場合に、次年度において海外調査を行うほうが、より効果的な調査ができるとも考えたことから、次年度使用額が生じることとなった。 また物品費についても、当初予算よりも少ない額の執行に終わった。これについては、書籍購入などにおいて、洋書を中心とする本がそれほど高くなく入手できたことなどが背景にあると考えられる。 次年度においては、特に海外調査を実施することが予定されている。しかし他方で、国内での研究会の開催があわせて予定されている。このため、特に旅費に関して十分な予算の充当が望まれる。そこで次年度では、当初計画において翌年度分として請求した助成金とあわせて、これらの海外調査、研究会開催のための旅費として使用したい。 また、当初計画において翌年度分として請求した助成金とあわせて、昨年度に引き続き、図書を購入したり、研究会でのゲストスピーカーによる報告、アドバイス等をお願いしたりするために必要な経費として使用していきたい。さらに必要に応じて消耗品も購入するなどしたい。
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Research Products
(3 results)