2013 Fiscal Year Research-status Report
自由貿易体制の進展に対応する国内行政法理論の構築:公益事業と社会保障を中心として
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25380039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 大樹 京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (90404029)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 公益事業規制 / 電力構造改革 / 原子力政策 / 投資協定仲裁 / 政策実現過程のグローバル化 |
Research Abstract |
多角的貿易体制や地域経済統合による自由貿易体制の進展が国内法制度に与える影響の分析を主眼とする本研究の1年目となる今年度は,公益事業に関する研究,とりわけ電力供給に対する規制を主要なフィールドとする研究を実施した。 2011年の東日本大震災・福島第一原発事故以降,電力規制に関する法制度や原子炉に対する規制のしくみは大きく転換しつつある。その全体像と今後の方向性について検討を行い,2013年5月にドイツ・Bad Homburgで開催された第12回日独社会科学学会において,ドイツ語での報告を行った。またこの報告原稿に加筆修正を加えたものを,ドイツの代表的な公法学の雑誌の一つであるDie Öffentliche Verwaltungに2014年2月に掲載した。さらに,同年3月には,ドイツ・Hagenで開催された日独シンポジウムにおいて,司法との関係や安全保障の観点も含めた原子力政策一般を対象とする分析をドイツ語で報告した。 電力規制のあり方と並んで問題となるのが,海外の投資家による公益事業に対する投資と国内規制との関係である。この問題を巡っては,近時主として国際法学(国際公法・国際私法)において,投資協定仲裁を素材とする議論が活発化している。そこで,国内公法学からみた投資協定仲裁の特色や課題を整理・検討し,2013年9月に台湾・台北で開催された国立台湾大学主宰のシンポジウムにおいて日本語での報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの分析と国際学会等における報告及び業績の(外国法媒体を含む)公表を行うことができたため。また2年目の分析対象である社会保障に関しても,2013年9月にドイツ・コンスタンツ大学で開催されたワークショップで英語による報告を行うことができ,研究すべき課題を一定程度明確化することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は研究代表者のみで研究するものであるため,同様の研究関心を有する他大学の研究者や実務家等と研究会等の場を設定して積極的に意見交換を行う。 また,共通の関心を有するドイツの若手研究者とも連絡を取り,意見交換の場を設定することとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の予定よりも出張の回数が少なくなったため,旅費に残金が生じた。 研究の進捗状況について関心を共通にする研究者との意見交換を図るための機会を設ける際に,前年度の残金もあわせて執行したい。
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Research Products
(11 results)