2013 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける定義付け衡量論の本質―判例及び学説を素材として
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25380041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
奈須 祐治 西南学院大学, 法学部, 教授 (40399233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表現の自由 / 有害表現 / 定義付け衡量 / 違憲審査基準論 |
Research Abstract |
25年度は、Frederick Schauerの論文、著書を読み込み、定義付け衡量に関する理論体系を検討することを予定していた。この作業は、アメリカにおいて定義付け衡量論を最も詳細かつ体系的に論じているSchauerの議論を、過去の文献を詳細に追うことにより確認し、今後の研究課題遂行の基礎を確立することを目的とするものである。具体的には、Schauerが過去に発表した70本を超える表現の自由領域の論文のうち、特に重要な10本の論文と、1982年に公表された著書Free Speech-A Philosophical Enquiry (1982)を選択し、分析の対象とした。これらの文献を収集、整理し、要点をメモするとともに各論文を要約する作業を行った。作業にあたっては、定義付け衡量のルール性のような審査基準論の形式的側面と、表現価値の高低、表現の害悪のような審査基準論の実体的側面の両方を念頭に置き、Schauerがどのような議論を展開しているかを詳細に検討した。検討にあたっては、Schauerのその他の論文も適宜参照した。Schauerの論文のうち一部未検討の論文の分析は、26年度当初の課題とする。また、25年度を通じて、定義付け衡量に関する国内外の学術文献の状況を調査し、関連性が高いものを収集し、文献リストにまとめた。同時に、アメリカの最高裁判例のうち、特に研究課題と関連するものを収集し、文献リストにまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度は上記のとおりSchauerの議論の整理を目的としていたが、当初の予定通り研究が進行し、目的を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は他の学説を検討した後にアメリカ連邦最高裁判例の分析に移る。今後さらに文献が増え、メモも多くなるため、研究補助を雇用する等の工夫を行いつつ、継続して研究課題を遂行していく。なお、今後の研究計画については特に変更を予定していない。
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