2015 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける定義付け衡量論の本質―判例及び学説を素材として
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25380041
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
奈須 祐治 西南学院大学, 法学部, 教授 (40399233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 表現の自由 / 有害表現 / 定義付け衡量 / 違憲審査基準論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,Roberts Courtの定義付け衡量に関する判例(Holder v. Humanitarian Law Project, 130 S. Ct. 2705 (2010); US v. Stevens, 130 S.Ct. 1577 (2010); Brown v. EMA, 130 S. Ct. 2398 (2011); Snyder v. Phelps, 131 S. Ct. 1207 (2011); Sorrell v. IMS Health Inc., 131 S. Ct. 857 (2011); US v. Alvarez, 567 US _ (2012))を検討する作業を行った。この分析の過程で,定義付け衡量に関する論点の整理を行い,連邦最高裁の近時の傾向を明らかにした。判例全文を読んで大意を把握した後、最高裁上告受理後の意見書、当該事件の下級審判決、判例評釈を読むという順序で研究を進めた。 この作業の過程で,引用されている判例をチェックし、特に定義付け衡量と関わる判例 については一覧表を作成した。その後,Roberts Court以前の定義付け衡量に関する主要な連邦最高裁判例(猥褻、名誉毀損、プライバシー 侵害、営利的言論、憎悪言論、著作権侵害、煽動等に関する判例)を収集し,分析した。平成27年度はこれらの判例を網羅的に分析するには至っておらず,平成28年度に継続して検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
27年度は上記の通り概ね予定通り研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は連邦最高裁の定義付け衡量に関する残りの判例を詳細に分析し,アメリカの判例,学説の研究の総括を行う。その後,日本の関連判例,学説を分析,検討し,最終的な研究のまとめを行う。
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