2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380083
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川出 敏裕 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80214592)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 少年警察 / 補導 / 少年サポートセンター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,少年の非行防止に大きな役割をはたしているだけでなく,近年,関係機関との連携を深めつつ,その領域を拡大している少年警察活動について,実態調査に基づき,実務の現状を把握するとともに,諸外国における法制度及び運用についての調査をふまえて,少年の非行防止のための制度という観点から,理論的かつ総合的な検討を行うものである。それに基づき,少年法における規定の改正も含めて,少年警察活動全体について,あるべき法制度の提言を行うことを目的としたものである。 最終年度にあたる今年度は,2年間の研究を踏まえて,少年警察活動の法的規律のあり方について取りまとめを行った。その成果は,公刊した著書『少年法』において,「少年事件の捜査と調査の法的性格」及び「少年警察活動の意義と法的規律」と題する節を設けて,その中に取り入れた。その要旨は,第1に,犯罪少年に係る事件の捜査手続について,触法事件や虞犯事件の調査手続と合わせたうえ,成人事件の捜査手続とは区別して,少年法の中に規定するという立法の在り方は十分考えられること,第2に,これらにあたらず,現在は警察法2条に基づき実施されている,不良行為少年に対するない補導活動等の少年警察活動についても,それが少年の同意に基づくものとはいえ,少年の権利を制限する性格を持ったものであるから,明確な法律上の根拠を付与したうえで,その要件と範囲を規定するべきであるというものである。
|
Research Products
(2 results)