2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380101
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾島 茂樹 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (50194551)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | クレジット・カード |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に実施したわが国の実態の調査、裁判例の検討を踏まえ、今年度は、第1に、研究計画に従い、外国における法的問題点の検討状況の調査を行った。アメリカ、ヨーロッパにおいては、クレジット・カードが支払決済に使われた場合に、販売店と購入者の間にトラブルが生じた場合、法律または国際ブランドルールによって処理されることになり、それが徹底されれば、悪質加盟店が排除される仕組みとなっている。すなわち、クレジット・カード・ホルダーとカード利用加盟店との間に、加盟店の責任に帰すべきトラブルが発生した場合において、クレジット・カード・ホルダーがイシュア(カード発行会社)に理由のある苦情を申し立てたときは、イシュアはアクワイアラ(加盟店管理会社)から支払金を取り戻すことができる(チャージバック)。この仕組みをわが国でいかに有効に実施していくかが重要な課題である。今後、この観点からの検討を発展させ、わが国における方策について提言するよう研究を展開する予定である。 第2に、平成26年9月から開催されることになった経済産業省産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会に委員として参加する機会を得た。ここでは、おもにクレジット・カードに関する行政規制が検討されている。たとえば、アクワイアラや決済代行業者をこの仕組みのなかでいかに位置付け、どのような行政規制を及ぼすかといった課題である。本研究課題は、クレジット・カードについての民事規制について検討するものであるが、行政規制の視点も、問題解決には必要である。今後、この観点からの検討検討結果も参照しながら、検討を進めていくこととする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題についての国民生活センターにおける相談事例及び裁判例の検討を通じ、何が課題であるかを把握し、それを踏まえて外国法の検討に移っている。外国法の検討では、法律または契約により、問題を解決する仕組みが構築されており、それにより処理されていることがわかった。以上は、おおむね研究計画に示した進行となっている。 今後は、研究計画に従い、いままでの検討結果を踏まえ、わが国でいかに効率的に処理するかについて検討を進めていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、外国法の検討を着実に進め、また、それを踏まえて、わが国においていかに問題を処理するかについて検討を進めていく。
|
Causes of Carryover |
研究課題に関連する図書(特に洋書)について、予算に合わせた計画的な購入が出来なかったこと及び資料収集のための数回の出張を見込んでいたが、資料の複写取り寄せにより足りると判断した場合には、出張を取りやめ、それで足りたことにより、支出が押さえられることとなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度にも、研究課題を遂行するため、同様に図書購入及び資料収集出張を見込んでおり、これらの使途に充てる。
|