2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380102
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 絵美子 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (80250661)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | サービス契約 / 解除権 / 損害軽減義務 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、各論的な規定と一般的な法理論との関係、異なる価値観の調整方法、法制度におけるカテゴリー化の意義を意識しつつ、サービス契約法における権利・義務の設計と説得的な理論的根拠の提示を試みることにある。 本研究について、具体的なトピックとして掲げた第二の観点(損害軽減義務の観点と関連させ、サービス契約の領域における損害賠償の考え方の特徴を検討する)と第三の観点(不効率性の回避という観点に関連させ、サービス契約領域でサービス受領者の任意解除権を広く採用することの可否について考察する)について、検討を進めた。 まず、信用供与サービスを、具体的なサービス契約の新たな題材として加え、研究方法としては、文献資料に基づく検討に加え、ドイツに調査に出かけ、関連資料を収集するとともに、マックスプランクの教授にインタビューを行った。次に、その他のサービス契約も広く視野に入れる形で、従来の検討の整理を行い、第二、第三のトピックについて、研究成果として発表する準備を進めた。第三のトピックについては、経済的な効率性や流動性の促進という観点から、サービス契約の領域では、物品売買の領域よりも、任意解除権への要請が高いことを明らかとしつつ、当事者の財の活用能力という観点も重要となるのではないかという新たな着眼点を得た。また、損害賠償法にかかわる損害軽減の観点に関しても、「サービス/物」とは異なる観点として、「個別取引/マス取引」という観点が、重要な役割を果たす可能性について着眼点を発見できたので、「サービス/物」という観点との関係について今後検討をさらに進める予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に研究を進めている。ただし、執筆した原稿については公表媒体との関係で、公開が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画通りに、検討が進んでいるので、随時、研究成果を公開していく。
|
Research Products
(1 results)