2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25380120
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田山 輝明 早稲田大学, 法学学術院, 名誉教授 (30063762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 武 関東学院大学, 法学部, 教授 (80257188)
山城 一真 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (00453986)
青木 仁美 早稲田大学, 高等研究所, 助教 (80612291)
橋本 有生 早稲田大学, 法学学術院, 助教 (90633470)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 成年後見制度 / 医療代諾権 / 法定代理権 / 国際研究者交流(ドイツ) / 国際研究者交流(オーストリア) / 国際研究者交流(韓国) / 認知症高齢者 / 臨死介助 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度でも、研究目的の実現に向けて、講演会(2回)と研究会(6回)を実施した。第一の講演会のテーマは「成年後見人の注意義務―ドイツとオーストリアの実情」であった。 重度の認知症高齢者が引き起こす事故等につき、障害者権利条約の趣旨との関連も踏まえて、「世話法, ホーム法及び社会法について」、「成年被後見人の在宅監護と注意義務」と題して、プロテスタント単科大学教授T・クリー氏(独)から、「オーストリアにおける成年被後見人(代弁人)の在宅監護と注意義務」と題して、インスブルック大学教授M・ガナー氏から経験をうかがった。 判断能力が不十分な高齢者等について、「臨死介助と患者処分証書(リビングウイル)」を取り上げた。すでに田山編『成年後見人の医療代理権と法定代理権』(三省堂、2015年)を出版していたが、クリー教授及びガナー教授の講演により理解が具体的に深まった。 第二の公開講演会は、「韓国成年後見法の現状――障害者権利条約への対応、医療代諾権等」と題する、鄭鐘休教授(全南大学校)の講演であった。韓国における同条約への対応、成年後見人の医療代諾権、法と現実とギャップ等につき紹介がなされ、同条約と国内法の調和をめぐる議論がなされた。 研究会は、次の通りである。4月は、青木仁美(早大助教)「成年後見人の義務と責任」/6月は、渡辺一郎(足立区福祉事務所)「自治体から見た成年後見制度の諸相」/7月は、山城一真(早大准教授)「フランス成年後見法の近況」/11月は、降旗優次(地方法務局)「成年後見登記の現状と課題」/2016年1月は、藤巻梓(静大准教授)「ドイツの世話付き住居法について」/2月は、橋本有生(早大助教)「イギリス成年後見制度に関する近時の動向」、であった。以上の研究を通じて、現行民法の具体的改正につき、『成年後見読本』等で研究課題に添った「試案」を提示したが、今後さらに推敲が必要である。
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Research Products
(26 results)