2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380125
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
舩津 浩司 同志社大学, 法学部, 准教授 (80454479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 子会社少数株主保護 / 企業グループ法制 / グループ利益 / 退出権 / 締出し |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、日本以外に向けて研究内容を発信することを中心に行った。まず、昨年度に日本語で公表した論文を要約の上英語で公表した。また、日独韓中の研究者を集めて平成28年3月17-18日に東京大学で開催された「Conference on Issues and Challenges in Corporate and Capital Market Law: Germany and East Asia」において、企業結合の形成に関係する問題である濫用的会社分割の問題を英語で報告した。同報告の内容は、後日コメントを踏まえて加筆・修正の上公表の予定である。 また、新たな取り組みとして、企業結合の形成・解消の局面における子会社少数株主保護の問題に関して、平成26年会社法改正後も残された課題について検討した。まず、子会社少数株主の締出しの問題に関して、平成26年改正前から存在していた全部取得条項付種類株式の取得による締出しの制度が、平成26年改正によってどのような変容を遂げ、それにより(子会社)少数株主の利害状況がどのように変化したと考えられるかについて、理論的な検討を行い、商業誌に論文を掲載した後、それを加筆修正した論文を分担執筆として単行本化した。また、多数株主による少数株主の締出しと裏腹の関係にある、少数株主のイニシアチブによる退出権制度に関する理論的な検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度と26年度は運営の局面における親会社の責任法制に係る予定していた比較法的検討を概ね終えた。企業結合法制において、運営の局面における規律と形成・解消の局面における規律とは密接不可分であることから、本年度は、予定していたわが国における解釈論の検討のほか、形成・解消の局面の検討に移行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度の研究実績として、当初の研究計画ではあまり重点を置くことができないと予想していた企業結合の形成・解消の局面における課題についても検討する機会に恵まれたことから、研究期間の最終年度である平成28年度は、当初の研究計画通りわが国の解釈論を取りまとめるとともに、形成・解消に係る比較法的考察も進めて、今後の研究につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
外国調査を予定していたが、国際カンファレンスの招待を受けたため科研費の予算外である程度必要な外国調査を並行して行うことができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度で研究課題の若干の拡張を行ったことから、そのための調査費用(主として文献の購入)に充てることを予定している。
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Research Products
(4 results)