2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25380129
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
蘆立 順美 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60282092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 宏 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40215637)
成瀬 幸典 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20241507)
佐藤 隆之 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30242069)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 営業秘密 |
Research Abstract |
今年度は、不正競争防止法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法の各分野において、営業秘密に関する法改正にかかる資料や裁判例、学説等について、主に国内の文献を中心として、調査、収集を行った。 刑法の分野については、不正競争防止法平成15年改正において、営業秘密の保護に関し刑事罰規定が導入され、それに続く平成17 年、平成18 年及び平成21 年改正において段階的に刑事罰の引上げ等がなされたことから、主に、これらの改正にかかわる議論について立法資料や文献等を収集した。そのうえで、各改正が、従来の営業秘密に関する議論との関係でどのように位置づけられるかにつき、これまでに議論の蓄積のある「刑法における情報の保護」という観点から検討した。また、情報の一種である営業秘密の保護の在り方に関する学説や実務における議論の動向について分析を開始した。 加えて、不正競争防止法の営業秘密にかかる裁判例について調査を行い、「営業秘密」の概念や不正競争該当性に関する判断等について整理し、これらの解釈において、裁判例において必ずしも統一的な解釈が示されていないことから、こうした解釈における上記の改正法の影響の有無や、解釈を異にした事案の特殊性の有無等に関する分析を開始した。 なお、知的財産戦略本部が2013年6月に公表した「知的財産推進計画2013」において、営業秘密保護の強化が盛り込まれ、産業構造審議会知的財産分科会において議論が開始されたため、この議論の動向についても注視し情報収集に努めたが、今年度末に公表されたとりまとめにおいては、未だ一定の方向性が示されておらず、今後も継続して情報収集を行うこととした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、国内の関連する文献や裁判例等の調査、収集、整理、分析を行う予定となっており、これらの作業については、おおむね順調に進展していると思われる。企業における情報管理の各種ガイドラインや、共同研究開発等における情報管理に関する状況などについては、必ずしも十分に調査が進んでいないが、知的財産分科会において、営業秘密の保護の強化に向けた議論が開始されていることから、実務の動向については、こうした議論と合わせて次年度に引き続き調査を予定している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、前年度に引き続き、営業秘密にかかる諸規定について、各専門分野において文献調査、収集、分析を継続し、知的財産法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法のそれぞれの研究者による専門的知見から、営業秘密の保護に関する理論的な研究を進めることを予定している。また、必要に応じて諸外国(アメリカ、ドイツ、オランダ等)の営業秘密に関する法制度についても調査の対象とする。 なお、知的財産分科会における営業秘密の保護の強化に向けた議論についても適宜情報を進めることを予定している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
|