2016 Fiscal Year Annual Research Report
Integrated Governance of Transboundary Waters; approach from domestic and international law
Project/Area Number |
25380133
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 充郎 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (70380300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 越境水 / 地下水 / 地表水 / 接続的利用 / 治水 / 利水 / 生態系保全 / 水道水源保護条例 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】本研究は、流動性の高い地下資源全般を念頭に置きつつ、地表水・地下水の両方を含む越境水の統合的ガバナンスをめぐる諸問題の特徴を浮き彫りにし、日米比較法及び国際法の両面から問題解決の方向性及び方策を提言することを目標としている。 【研究実施計画】流動性の高い地下資源はしばしば越境的に賦存し、地下資源採取による汚染も越境的に発生する。そのため、地下資源の採取ルールの整備や汚染を防止するためのルール整備が必要になる。また、地下水については、地表水と接続しているために「接続的利用」が課題となり、地表水について、従来から課題とされてきた治水・利水・環境の統合も、本研究の課題となる。 具体的には、日本では、複数の自治体からなる奥入瀬川流域に関して、産業振興と水道水源の保全が課題となっている。また、北米のコロラド川流域において、地表水の利用をめぐって利水者間紛争及び州際紛争が生じていると同時に、米墨間で地下水採取及び生態系保全が課題となっている。これらの課題について、現状を確認するとともに、提言を行うことを目標として研究を進めた。 【研究成果】日本については、青森県十和田市において、青森市横内川水道水源保護条例と比較しつつ、同市における水道水源保護条例導入の可能性に関する講演を行った(2016年8月)。また、米国については、コロラド川流域において渇水が長期化し、利水者間及び沿岸諸州の間で紛争が深刻化している。利水者間の渇水対策として水融通が行われているが、その中に、国境線付近の水路の地下浸透防止によって得られた水が譲渡されており、メキシコの地下水利用が阻害されている。メキシコの地下水利用者は、米国の連邦裁判所において、地下水利用権の確認等を請求したが、紆余曲折の末、請求が却下されている(研究成果は2017年に行政法研究において公表した)。
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Research Products
(5 results)