2013 Fiscal Year Research-status Report
現代韓国における戸主制の廃止と「性差」の法的構造の変容に関する実証的研究
Project/Area Number |
25380136
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
岡 克彦 福岡女子大学, 国際文理学部, 教授 (90281774)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 韓国 / 家族制度 / 戸主制 / 儒教的家族観 / ジェンダー |
Research Abstract |
本研究の初年度として、韓国家族法の立法資料および判例の調査・収集を目的で現地フィールドワークを実施した。2005年に戸主制の全廃を主な内容とした民法改正が行われたことに伴って、改正経緯に関する法案、国会の会議録を網羅的に調査し、関係資料を収集することに努めた。具体的にソウル市の国会、国会図書館などに永続的に訪問し、関係資料の状況を把握した。また、戸主制に対する法的な問題に憲法裁判所での数件の違憲決定がある。実際に憲法裁判所および同裁判所図書館に訪問し、この事件の決定書の副本はもちろん、それ以外の関係資料の調査・収集を実施した。 この資料調査にもとづいて、戸主制を取り巻く韓国の家族制度の問題状況および社会背景にまで及んだ論点の発見を試みた。特に、2005年の民法改正の内容、国会での審議内容および社会などの反応を解明するための立法資料を入手できた。さらに、戸主制廃止をめぐる市民団体(女性団体、保守系の儒林団体など)の見解および現地法学界の動きをさぐるための論文、意見書を収集した。単に法改正のレベルだけでなく、同改正に至った社会動向にまで分け入って明らかにできる可能性のある現地調査ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度の研究計画にもとづいて、現地フィールドワークを実施し、ほぼ満足のいく資料を調査・収集することができたのである。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、この計画通り進めていけばよい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度に購入予定の電子機器を購入しなかったためである。 パソコンなどの電子機器を購入する予定であり、現地・韓国へのフィールドワーク、各種研究会および学会への参加の目的から主に旅費として支出する予定である。
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