2016 Fiscal Year Annual Research Report
Policymaking and Diversity in Japan's Prefectural Assemblies
Project/Area Number |
25380145
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
馬渡 剛 茨城大学, 人文学部, 教授 (60637221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 地方議会 / 55年体制 / 政党組織 / 日本政治 / 政治学 / 地方政治 / 地方自治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方議会の活動実態を研究することを通じ、日本政治という大きな枠組みの中で、地方政治が果たしてきた役割を明らかにすることである。戦後、地方議員は、国会において官僚と並び有力な人材資源を構成しており、1990年代以降は衆参両院において第一の人材資源となっている。また、日本の地方議員は、中央政治に関与している部分が大きく、中央の諸政策に影響を及ぼしている。なぜ地方議員は国会における第一の人材資源となりえたのか、「民主主義の学校」とも称される地方自治の経験は、中央政治においてどのように活かされていたのか、地方議会、地方政党組織、国会、中央政党組織に着目し検証するものである。 都道府県議会における選挙結果、議会構成、役職人事、昇進経路についてのデータ整備を行い、また国会における地方議員出身議員のキャリアパスについてもデータベース化した。また都道府県議会において生じた議案に対する修正・否決事例、議員提出条例についてもデータを整備し、またこれまで未開拓の市長村議会レベル(茨城県)についても修正・否決事例を集積し、それがどのようにして惹起されたのか検討した。 その結果、都道府県議会議員は、国会における主要な人材供給源を構成している。とりわけ地方議会レベルで経験を積んできた県議出身者は、自社両党において国会対策に秀でた専門家として起用されている。自社主導型の55年体制期において国会対策は、主に県議出身者によって担われていた。また地方議員は、地方政治の秩序維持者としての役割を担い、55年体制を下支えしてきただけでなく、55年体制崩壊後、連立政権の時代に入り、これまでの与党内の事前審査に加えて、与党間はもとより野党との調整すなわち国会対策は更に重要となり、議会運営に長けた県議出身者のプレゼンスは有効性を増すようになっている。
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