2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Liberal Democratic Party and its conservatism in postwar Japan
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25380149
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
中北 浩爾 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (30272412)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本政治史 / 保守主義 / 戦後 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は4月25日に『自民党―「一強」の実像』と題する本を中公新書の一冊として出版したことが特筆される。派閥、総裁選挙とポスト配分、政策決定プロセス、国政選挙、友好団体、地方組織と個人後援会、組織と理念といった多角的な観点から、「一強」と呼ばれる自民党の現状について分析したものである。幸いにも多くの方々から高く評価され、おおむねすべての新聞の書評に取り上げられた。本書の出版を契機として、それ以降、様々な機会に研究会で報告したり、ディスカッションする機会に恵まれ、自民党に関する研究を深めることができたことも報告しておきたい。 本書の出版を通じて、2014年に出版した『自民党政治の変容』と合わせて、本科研費の研究成果を歴史と現状の両面から示すことができたと考える。これまで55年体制が崩壊した1993年までの自民党研究は少なくなかったが、現在まで十分に視野に入れた形で自民党を本格的に論じた二つの著書を通じて、自民党研究の水準を引き上げることができたのではないかと考えている。ただ、限界としては、思想に関する分析がおろそかになった点が挙げられる。これは今後の研究課題としたい。 この著書の刊行以降も2017年度、本研究課題を深めるべく研究を進めた。そうしたなか、自民党が55年体制の崩壊後、ほぼ一貫して連立を組んできたことが新たな課題として浮上した。なかでも公明党との連立政権(自公政権)は、現在の日本政治で唯一の安定した連立の枠組みになっている。それはなぜなのか。比較政治学の枠組みなども用いて解明しなければならないと考え、それに向けて様々な文献を読み込むとともに、自民党や公明党の関係者などへのインタビューを少しずつ進めた。いまだ論文や著書にはなっていないが、基本的な資料を収集するとともに、仮説の構築を進めるといった一定の成果を得た。
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Research Products
(2 results)