2014 Fiscal Year Research-status Report
現代日本政治ナショナリズムの特色及び普遍性――「日本会議」における宗教系組織
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25380153
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
T Guthmann 三重大学, 人文学部, 教授 (30335111)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 日本政治 / ナショナリズム / 日本会議 / 宗教系組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究実績は主に以下の3つである。 1. 東京にある日本会議本部において日本会議を実際に動かしている管理職とのインタビューを実施した。また、日本会議愛知県本部事務局長とのインタビューも実施できた。その後、三重県日本会議会長及び事務局長とも長いインタビューを実施した。これらのインタビューを通じて全国レベル、および地方レベルで日本会議はどのように運営されているかを明らかにすることができた。 2.現時点で日本会議国会議員懇談会役員7人のインタビューを実施済みである。その内わけは自由民主党議員5人、民主党議員1人、無所属議員1人である。彼らに日本会議への支持の動機等に関して尋ねることができた。さらに津市市議会議員2人とのインタビューを通じて日本会議は地方レベルでどの程度の影響力があるかについて調査ができた。 3.平成26年12月12日、13日の間、パリで開かれたフランス日本学学会研究大会において日本会議に関する研究報告を行った。報告の題名は次の通りであった:「21世紀における日本の極右の力学――日本会議」。なお、その報告が今年度中論文という形でフランス日本学学会によって出版される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に実施できなかった日本会議全国組織を実際に動かしている管理職のインタビューを26年度中に実施し、遅れを取り戻すことができた。 平成26年度の研究実施計画の通り日本会議国会議員懇談会の役員30人に手紙や電話で連絡し、その内7人とのインタビューを実現できた。また、日本会議主催の集会(三重県日本会議総会等)にも参加し、有意義な考察もできた。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点、研究計画の変更あるいは研究を遂行する上で大きな障害はなく、予定通り今後の研究の実施が可能である。具体的には次の研究内容を予定している。 統一地方選挙が終わり、5月以降、引き続き日本会議国会議員懇談会の役員達(残り40人程度)に手紙や電話で連絡し、インタビューを依頼する予定である。 平成27年度は研究の最終年度である故、研究成果のまとめを行う予定である。具体的には、『Monde chinois - nouvelle Asie』というフランスの学術雑誌に日本会議における新興宗教に関する論文を掲載する。そして、6月にオスロ大学(ノルウェー)で「日本における世俗の形成」というテーマについて開催されるワークショップに参加する。このワークショップでの他の報告と併せ報告者の日本極右勢力と世俗に関する論文も京都にある国際日本文化研究センターの英語版の雑誌に掲載される。 また、これらの研究成果を最終的に、1冊の著書という形で総合的にまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度中予定していた日本会議国会議員懇談会所属議員のインタビューを半分しか実施できなかった。その結果、旅費は当初予定していたより少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
その額を残り半分の日本会議国会議員懇談会所属議員のインタビューの実施のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)